出荷から配送までの効率化をワンストップで実現
東レグループで生産管理やIoTのシステム開発などを手掛ける東レエンジニアリングDソリューションズは8月25日、AI技術を活用し、出荷から配送までを効率化する物流管理システム「TONOPSロジスティックス」(トノプス ロジスティックス)を開発したと発表した。9月に発売する。
AI技術で業務を自動化できる点に加えて、効率的な出荷作業手順の提示および誤出荷防止に向けた確認、効率的な配送ルートの編成まで物流に関連する業務をワンストップで行えるのが特徴。
同社は新システムを、多数の店舗や拠点への物流を行う製造業や小売業向けから、セントラルキッチンを有する外食産業向けなどに幅広く販売することを想定。販売目標は2023年度に3億円、25年度に5億円と設定している。
旧来の物流に関連するシステムは、出荷や配送などの工程ごとに個別に管理して各々で最適化を図ることが一般的で、複数の工程を横断的に管理するものの展開は限定的だった。工程間での情報のやり取りは、システムごとへの情報入力が必要となるため、重複する入力作業が発生しがちであるなど、効率的な業務遂行が困難なのが現状だった。
また、誤出荷防止に向けた内容物確認にはバーコードやRFIDなどが活用されているが、バーコードやRFIDを添付できる商品形状には制限があることに加え、添付のコストや作業量の増加なども課題。配送ルートの最適化には、個人の経験や知見に依拠する部分が多いため業務の一般化や制約の多い複雑な条件下での最適性の評価が難しかった。
新システムは各課題を解決するため、物流の各工程を最適化する機能を1つのシステムとして集約。工程間の情報連携を可能とした。また、個別機能においても、出荷物管理ではAIの画像処理技術により、あらゆる形状の品物の品名および数量を外観のみで短時間にチェックを行える。
加えて、倉庫内での出荷作業および配送時の走行ルートの編成でも、AI技術を活用して効率的な手順・ルートを自動で作成。特に配送ルート作成は時間や順番といった基本的な条件に加えて、使用可能な車輛のサイズ、到着時間の範囲、ドライバーの勤務時間の制約などの条件を追加できるため、各要素を考慮した上で最適な配送ルートを短時間で編成することが可能。
これまでTONOPSは生産計画用システム「TONOPSスケジューラ」と生産工程、品質管理用システム「TONOPS生産管理」を展開している。新システムはいずれのシステムとも連携できるため、生産計画から生産工程・品質管理に加えて製品の出荷・配送といった物流の効率化までのトータルソリューションが可能になるという。
商品名 : 「TONOPSロジスティックス」
製品特長 :
(1)物流のワンストップでの最適化・効率化が可能。
(2)AI画像認識による効率的な誤出荷防止機能
(3)AIルート最適化技術によるユーザーの個別の条件を考慮した、高精度な配送ルートの提案機能
展開用途 : 自社物流を行う製造業・小売業から外食産業向け
販売目標 : 2023年度 3億円 ・ 2025年度 5億円
(藤原秀行)