首都圏の賃貸大型倉庫、19年の新規供給は約72万坪と予測

首都圏の賃貸大型倉庫、19年の新規供給は約72万坪と予測

CRE調査、大幅な空室率悪化は見込まず

 シーアールイー(CRE)は2月6日、賃貸倉庫の市場動向を分析した「倉庫・物流不動産 マーケットレポート(β版) Ver.201812」を発行した。

 2018年12月末の賃貸大型倉庫(1万平方メートル以上、BTS型含む)は首都圏で空室率が前期(7~9月)末から1・78ポイント下がって2・59%だった。

 需要が前期から5割強多い20万坪弱に達した一方、供給は前期の7割強に相当する11万坪弱だったことなどがプラスに影響した。
18年通年の新規供給はCREが調査を開始して以来最大となる約62万坪に達したものの、旺盛な需要で着実に消化、空室率は1・29ポイント低下した。

 19年に関しては、現時点で新規供給が18年実績をさらに上回る約72万坪を見込んでいるが、CREは「(契約の)内定率は5割を超えると観測されているため、大幅な空室率悪化にはつながらないだろう」と推察している。

関西圏も空室率改善は継続と展望

 関西圏の18年12月末の空室率は前期末から2・46ポイント低下し7・68%だった。新規供給が5・5万坪強に対し需要が約9万坪と上回ったことが追い風になった。18年平均では17年12月末時点から半分の水準まで下がった。

 19年の新規供給は現状で約8万坪と、前年実績から3割程度にとどまる半面、契約内定率は7割程度を超えているため、CREは「空室率改善傾向は継続する」と予想している。
中部圏は18年12月末の空室率が2・21ポイント低下し5・31%。18年通年も新規供給が前年からほぼ半減した一方で需要が継続して根強く、12・29%から5・31%へ大きく改善した。
19年の新規供給は5万坪に満たず、18年実績と同水準になるとみており、「急激な(市況の)悪化はない」と展望している。
九州圏は18年12月末の空室率が2・36ポイント低下の1・14%。18年も11・00%から1・14%まで改善した。

 1000坪未満(同社管理分のみ)の賃貸中小型倉庫は、18年12月末が首都圏で0・67ポイント上昇の1・68%。CREは「一部エリアで若干上昇しているものの依然テナントニーズは高い一方、新規供給は僅少であり、今後も1~3%のレンジで推移していく」との見方を示した。

(藤原秀行)

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