早期に運用資産残高1000億円目指す
戸田建設は8月31日、資本効率の改善と不動産事業の成長を図るため、機関投資家を対象とした私募リートを組成すると発表した。併せて、不動産を適切に運用するアセットマネジメント(AM)事業への取り組みも開始する。
私募リートは2025年をめどに立ち上げ、早期に運用資産残高(AUM)1000億円を目指す。2022年度中には私募リートに組み入れる物件の確保と、事業に必要な許認可の取得に向け、前段となる私募ファンドを組成する予定。
同社は今年5月、「中期経営計画2024ローリングプラン」でROE(自己資本利益率)8%の中長期的な確保を目指し、成長などへの投資を通じた事業ポートフォリオの強化と資本効率の向上を打ち出した。私募リート組成とAM事業開始もその一環。
同社が不動産を開発した後、私募リートに売却することで早期に投資資金を回収し、次の投資へ活用できるようにする。バランスシート上の不動産拡大や有利子負債の増加を抑えながら不動産事業の成長を継続させたい考え。
対象とするアセットの種類については詳細を明らかにしていないが、同社が強みを持つ土地区画整理事業などで取得した物件を運用する見通し。オフィスビルや物流施設などが有力な投資対象候補になるもよう。
私募リートのポートフォリオに組み入れる物件を確保するため、25年までに複数回、私募ファンドの組成を図る。私募リートの資産運用を担当するAM会社の設立へ業務に必要な人材の採用・育成と組織体制の整備を行い、許認可の取得手続きを進める。
今後のスケジュール見通し(プレスリリースより引用)
(藤原秀行)