大和ハウス、埼玉・草加のマルチ型物流施設で第三者機関が躯体耐用年数「200年が妥当」と確認

大和ハウス、埼玉・草加のマルチ型物流施設で第三者機関が躯体耐用年数「200年が妥当」と確認

一般的倉庫と比較、ライフサイクルのCO2削減などで有用性

大和ハウス工業は9月28日、埼玉県草加市で開発したマルチテナント型物流施設「DPL草加」(地上5階建て、延床面積5万1007平方メートル)の躯体耐用年数の算定結果について、200年が妥当だと第三者機関の一般財団法人ベターリビングが確認したと発表した。


「DPL草加」外観

国土交通省が2019年4月に策定した「新不動産ビジョン2030」は官民共通目標の1つとして「ストック型社会の実現」を設定。「スクラップ&ビルド」というフロー型社会から省資源なストック型社会への脱却が求められる中、建築物の長寿命化は、資産価値の高い社会資本として将来世代に引き継ぐと同時に、廃棄物や資源・エネルギー消費の削減にも寄与し、省資源なストック型社会の実現につながるとみている。

「DPL草加」の躯体耐用年数の算定結果に関し、200年が妥当なことを第三者機関が確認。併せて、建物を適切に維持・管理することを前提に、一般的な倉庫を比較対象として、200年間継続して使用することの経済面・環境面なども検証した結果、有用性も示された。

今後は検証結果を通じて、建物の長寿命化に対する設計・施工のノウハウを蓄積し、より幅広いニーズに対応できる体制を整えたい考え。

「DPL草加」は、プレキャストプレストレストコンクリート造一部鉄骨造・杭頭免震の構造で、200年間建て替えを行わず、適切な保守管理・修繕更新・バリューアップなどが実施されることを前提とし、一般構造倉庫は65年ごとに建て替えることを想定して検証。ライフサイクルコスト(建設費+修繕更新費)では、「DPL草加」が200年間の平均で1年当たり約7300万円の減額効果(減額率約32%)があり、200年間のNOI(運営純収益)では、約57億円のコストメリットがあることが見込まれた。

 

延床面積・階数

構造

「DPL草加」

51,007.91㎡・地上5階建て

免震システムあり(杭頭免震)

プレキャストプレストレストコンクリート造

一部鉄骨造

「一般構造倉庫」

同規模・地上5階建て

免震システムなし

鉄筋コンクリート造一部鉄骨造


【比較対象建築物のライフサイクル期間】

CO2排出削減量においては、一般構造倉庫よりも「DPL草加」の方が建て替え回数が減ることや構造の違いにより、200年間で10万3449トンの削減効果(削減率83.4%)があると推定された。

【200年間のCO2排出削減量の比較】

■「DPL草加」建物概要

名  称   :「DPL草加」

所 在 地     :埼玉県草加市松江5-758

交  通   :東京外環自動車道「草加インターチェンジ」より約4km(車で約8分)

        首都高速道「八潮南インターチェンジ」より約4km(車で約8分)

        東武スカイツリーライン「草加駅」より徒歩約20分

敷地面積           :25,983.66㎡(7,860.05坪)

建築面積   :10,371.76㎡(3,137.45坪)

延床面積        :51,007.91㎡(15,429.89坪)

賃貸面積   :49,334.14㎡(14,923.57坪)

構造・規模     :プレキャストプレストレストコンクリート造一部鉄骨造

                          杭頭免震・地上5階建て

建物用途           :マルチテナント型物流施設

設  計   :松尾建設株式会社

施    工    :松尾・大豊建設JV

着    工    :2019年12月1日

竣    工            :2021年2月26日

(藤原秀行)※写真などはいずれも大和ハウス工業提供

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