組織全体が情報をリアルタイムで共有可能
AZ-COM丸和ホールディングス(HD)は10月3日、各種ソリューションサービスを手掛けるBIPROGYと連携し、クロノロジー型危機管理情報共有システム「災害ネット」の運用を開始したと発表した。AZ-COM丸和が注力している、災害時の顧客の物流網早期復旧を後押しする「BCP物流」を強化するのが狙い。
災害ネットは、災害情報を時系列に沿ってホワイトボードに書き出す手法(クロノロジー)をデジタル上で表現し、“今“ 何が起きているのかをリアルタイムに把握できる情報収集・共有ツール。これまで災害時にホワイトボードに列挙していた文字情報だけでなく、画像などをパソコンやスマートフォンから場所を問わず簡単に登録、組織全体で情報を一元管理できるSaaS型サービス。
2022年7月にAZ-COM丸和が首都直下型地震を想定して行った「本社災害対策室訓練』は、各部門から上がってくる情報を災害ネットで時系列に沿って管理し、混乱なく円滑な情報共有ができることを確認した。
従来のAZ-COM丸和グループの災害時対応は、各現場などからの情報共有に表計算ソフトやメールなどの手段を活用していたが、事象の経緯を追えず、情報の取りまとめなどに多くの時間を割いていたため、リアルタイムに情報共有ができず、対応が後手に回ってしまうとの課題を抱えていた。
災害対応時の情報管理手法としてクロノロジーに着目し、ホワイトボードを活用した災害対応訓練を行ってきたが、ホワイトボードでは離れた場所との情報共有が難しく、情報量の物理的な制約もあることからクロノロジーのメリットを十分に活用できていなかった。災害ネットを導入することで、有事の取り組みが改善できると期待している。
AZ-COM丸和とBIPROGYは災害ネットを通じ、災害時における被災状況の早期把握・早期対策を可能にし、災害時の物流ネットワークの早期復旧を目指す。
導入イメージ
災害ネットを活用した訓練の様子(プレスリリースより引用)
(藤原秀行)