首都圏の大規模マルチテナント型物流施設、「需給緩む時期はランプウェイ型とボックス型で稼働状況に差」

首都圏の大規模マルチテナント型物流施設、「需給緩む時期はランプウェイ型とボックス型で稼働状況に差」

CBREリポート、今後はエリアの特性加味した適切な賃貸条件設定が重要と指摘

シービーアールイー(CBRE)は10月18日、「形状による賃料とリーシングへの影響:首都圏大型マルチテナント型物流施設」と題するリポートを公表した。

2022年第2四半期(4~6月)時点で竣工済みの首都圏の大規模マルチテナント型物流施設(LMT)について、主要4エリア別、形状別に想定成約賃料ベースで集計すると、ダブルランプウェイとシングルランプウェイでは物流施設の賃料差はいずれの主要エリアでも差は3%内外でほとんどないことを確認。

一方、ランプウェイ型とボックス型は外環道エリアを除き、明確に賃料の差が見られたと説明した。

また、外環道エリアのみ、形状による明確な賃料差がないことから、CBREは「このエリアは形状による使い勝手よりも立地の良し悪しの方が重視されている」と推測した。

リーシングの進捗状況を見たところ、首都圏全体の空室率が低い時期は、形状による稼働状況の差は小さかった一方、空室率が高くなると差が大きかったという。CBREは「テナント誘致のしやすさという面ではランプウェイ型が一定程度有利」との見方を示した。また、「需給が緩む時期は、ランプウェイ型とボックス型で稼働状況の差が広がる」と指摘した。

形状が賃料やリーシングに一定程度影響していると分析。大量供給が2023年も続くことが見込まれ、物流施設の内定率が低下している中、CBREは「今後は形状の差がリーシングの進捗に影響する可能性が大きくなると予想される。物件の稼働率を上げるためには、エリアの特性を加味した適切な賃貸条件であることが1つの重要な要素となる」と締めくくった。

(藤原秀行)

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