ドローン運航管理システム開発のIntent Exchange、安全飛行経路の設計支援サービスを25年開始へ

ドローン運航管理システム開発のIntent Exchange、安全飛行経路の設計支援サービスを25年開始へ

物流などへの利用拡大見込み、安全飛行支援に注力

自動交渉AIを活用したドローン運航管理システム(UTM)開発を手掛けるスタートアップのIntent Exchange(インテント・エクスチェンジ、東京都目黒区下目黒)は8月23日、DRONE FUND、東京大学協創プラットフォーム開発、NECとNEC系ファンドを引き受け先としたJ-KISS型新株予約権発行方式で資金調達を実施したと発表した。

具体的な調達額は開示していない。同方式は投資契約書のひな形を使うことで迅速に資金調達できる仕組み。

政府が昨年12月、有人地帯上空でドローンが目視外飛行する「レベル4」を解禁し、物流などへのドローン活用がさらに広がると見込まれ、安全な運航管理の重要性が強まっているため、UTMの必要性もさらに高まると判断、調達した資金でUTM実用化の取り組みを加速させたい考え。

まずドローン飛行時に万が一落下などのトラブルが起きても被害を最小限にとどめられる経路を設計できるよう支援するサービスを2025年初頭に開始した上で、UTMプロバイダの認定とUTM利用の義務化の時期を見据えて、UTMサービス事業の開始に向けた開発を進める。


(Intent Exchange提供)

Intent ExchangeはNECからのカーブアウト(事業の切り離し)で今年2月に発足。NECや産業技術総合研究所(産総研)などが開発したAI技術を活用しようと取り組んでいる。

UTMに関しては、国が集中的にドローンを管理するアーキテクチャ(方式)から、複数の民間UTMプロバイダが分散的に相互接続するアーキテクチャに移行しつつあり、標準化団体ASTM Internationalで標準化した規格が今後、UTMのデファクトスタンダードになると見込まれている。

分散型のアーキテクチャにおいて重要となるのが、運航者が他の運航者との調整を支援する機能で、現在は運航者間で経路が重複した際には運航者間で電話やメールなどでアナログ的に運航経路やタイミングを調整する必要があるが、調整をデジタル化すれば自動的に行えるようになる。Intent Exchangeは自動交渉AIを活用、調整をデジタル化することを目指している。

また、今回調達した資金は、エアモビリティ領域でのサービス構築と並行して、エアモビリティ領域以外への事業展開立案についても進めるのに充てる。

(藤原秀行)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事