パレット標準化「まず業界単位で検討を」、レンタルや関係者共有を提案

パレット標準化「まず業界単位で検討を」、レンタルや関係者共有を提案

物流連が官民懇談会の分科会で発表

日本物流団体連合会(物流連)は1月19日、国土交通、経済産業、農林水産の3省が同日開催した「官民物流標準化懇談会」の「パレット標準化推進分科会」で発表したパレット標準化に関する調査結果などを公式ホームページ上で公表した。

分科会は各業界団体の幹部らが参加。手荷役の解消など物流効率化を進める上で存在感を増しているパレットについて、大きさがばらばらで輸送時に積み替えを強いられるなど、非効率が残っていることを受け、規格統一や普及促進の具体策を協議。懇談会に報告しながら具体的な政策につなげていくことを想定している。同日の会合は非公開で実施した。

物流連によると、物流事業者を対象にアンケート調査を実施したところ、パレットを紛失・流出したり、パレットの規格・仕様が異なっていたりすることが原因で、輸送途中の倉庫でパレットの積み替え作業が発生していることが判明。

そこで、物流連として、個々の企業単位ではなく、パレットを共同で所有・使用し、関係者の間で正しく循環する方式に移行すべきとあらためて指摘した。

海外の事例を参考しながら、その具体的な手法として、オーストラリアのようにレンタルパレットを使う方式と、共有パレットを採用する方式の2パターンを前提として、スキームの素案をまとめた。

レンタルパレット方式の場合は「将来的にどのレンタルパレット会社のパレットであっても関係なく共同で利用、回収できることが望ましい」と強調。

共有パレット方式の場合は別途、運営管理組織が全体のオペレーションを管理すると説明した上で「現在荷主が保有しているパレットのうち、共同で利用することが可能となる一定の規格・仕様を満たしているものについては、このスキーム内で共同利用することも検討する。また共同デポに関してはレンタルパッレット会社との提携も検討する」と提案している。

実現に向けた課題も整理しており、パレットの標準化は業界ごとの事業内容の特集性を鑑み、「まずは業界単位で検討することが適切」との見解を表明。「レンタルあるいは共有のいずれを選択するか、業界単位もしくはスキームの加盟団体で決定、運用することが望ましい」と提唱している。

最後に「例えばパレットサイズに適した梱包サイズへの変更や物流を意識した商品設計など、川上から川下まで含めたサプライチェーン全体を面で捉え、物流の全体の効率化を考えていくことが望ましい。これらの課題については物流事業者のみでは解決することができず、危機的状況が訪れる前に荷主を含め官民一体となって議論し、標準化を推進していくことが必要」との問題意識を提起、締めくくった。

(藤原秀行)

発表内容はコチラから(物流連ホームページ)

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