官民連携の大型プロジェクト、頓挫で幕
三菱重工業は2月7日、傘下の三菱航空機株式会社が取り組んでいた、国産で初となる小型旅客ジェット機「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発から撤退する方針を正式に表明した。
既に2020年、「いったん立ち止まる」との考えを表明、事実上開発を凍結していた。その後もMSJの製造で採算を確保するめどが立たないことなどから、正式に断念することにした。
三菱重工業は「(機体の量産に不可欠な)型式証明の取得にさらに巨額の資金を要し、現在の市場環境では事業性が見通せない」などと理由を説明している。官民が連携して進めてきた大型プロジェクトは開始から15年で頓挫、幕を閉じる。
2020年の三菱スペースジェット飛行試験機(10号機)の初飛行の様子(三菱重工業プレスリリースより引用)
(藤原秀行)