中小企業との取引価格交渉の姿勢、日本郵便と不二越が最低評価

中小企業との取引価格交渉の姿勢、日本郵便と不二越が最低評価

経産省が調査結果を実名で初公表、対応促す

経済産業省は2月7日、取引先の中小企業がコスト上昇分を取引価格に転嫁したり、取引価格を値上げしたりするための交渉に消極的な姿勢を取っている企業の実名を初めて公表した。

下請中小企業振興法に基づき、中小企業を対象に実施した調査結果をまとめた。取引価格への転嫁の度合いは日本郵便、交渉に応じるかどうかの対応は切削工具やベアリング、産業用ロボットメーカーの不二越がそれぞれ4段階の評価で最低となった。

政府は燃料費や電気代、人件費などのコスト上昇が続く中、取引価格への転嫁を確実にするよう取り組んでおり、今回の調査もその一環。西村康稔経産相は同日の閣議後記者会見で「価格転嫁や生産性向上につながる様々な新しい取り組みを後押しすることにより、中小企業の賃上げを進めていきたい」と語った。

調査は2022年9~11月、中小企業約15万社を対象に実施。中小企業の10社以上が主要な取引先として名前を挙げている発注側企業148社の姿勢を集計、実名を挙げた。

発注側企業については、コスト上昇分のうちどの程度転嫁したかの「転嫁状況」、交渉に応じているかどうかなどの「交渉状況」の2項目を4段階で評価。その結果、日本郵便は「転嫁状況」で、不二越は「交渉状況」でそれぞれ最低評価となった。

一方、いずれの項目でも最も高い評価を獲得したのは住友化学、村田製作所、日本製鉄など7社だった。

(藤原秀行)

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