中小企業の取引価格へのコスト上昇分転嫁、物流関係6社の評価を公表

中小企業の取引価格へのコスト上昇分転嫁、物流関係6社の評価を公表

経産省が150社対象調査

経済産業省中小企業庁は2月7日、ホームページで、中小企業が発注側企業との取引価格にコスト上昇分を適正に転嫁できているかどうかの実態調査結果を公表した。

調査は2022年9~11月、約15万社の中小企業を対象に実施した。中小企業の10社以上が主要な取引先として名前を挙げている発注側企業約150社の姿勢を調査、初めて全て実名でその結果を列挙している。

発注側企業については、コスト上昇分のうちどの程度転嫁したかの「転嫁状況」、交渉に応じているかどうかなどの「交渉状況」の2項目をそれぞれ4段階で評価。回答の平均が「7点以上」=「ア」、「7点未満4点以上」=「イ」、「4点未満0点以上」=「ウ」、「0点未満」=「エ」の順となっている。

物流関係の企業は掲載順にヤマト運輸、日鉄物流、日本郵便、日本通運、佐川急便、日本郵便輸送の6社だった。

「転嫁状況」を見ると、日本郵便は発注側企業全体の中で唯一、最も悪い「エ」の評価が付いた。他の5社のうち、最も良かったのは日鉄物流の「イ」で、残る4社は「ウ」だった。

「エ」は調査に応じた中小企業の中に、コストアップ分を取引価格に転嫁できず、逆に減額されたと回答した向きがあったことになる。

一方、「交渉状況」については、「イ」がヤマト運輸、日鉄物流、日本通運の3社、残る日本郵便、佐川急便、日本郵便輸送は全て「ウ」だった。

日本郵便とグループの日本郵便輸送はともに「転嫁状況」と「交渉状況」の両方で高い評価を得られていないことになり、取引価格適正化に取り組む姿勢の改善が強く求められそうだ。

(藤原秀行)

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