50年までのネット・ゼロ・エミッション達成の一翼担う
DHLエクスプレスは2月16日、環境負荷が低い持続可能な航空燃料(SAF) を使用し、ユーザーの輸送に伴うCO2排出量を削減(インセット)できる新しい輸送サービス「GoGreen Plus」を同日開始すると発表した。
国際エクスプレス業界初のサービスとして、当初は英国、イタリア、デンマーク、スウェーデン、カナダ、オーストラリア、南アフリカ、アラブ首長国連邦(UAE)で提供を開始する。
持続可能な航空燃料(SAF)を使用した貨物機
今後、全世界でGoGreen Plusの展開を予定しており、ユーザーはCO2削減とSAF使用を選択できるようになった。
新サービスはDHLが最近、英エネルギー大手bpやフィンランドのエネルギー会社ネステと提携し、世界各地に存在しているDHLエクスプレスのハブへのSAF供給が可能になったことから実現した。
SAFは廃油を原料として製造された再生可能な燃料。廃棄物や残滓を原料としているため、従来のジェット燃料と比較して、ライフサイクル全体で最大80%の温室効果ガス排出量削減が可能とみている。
GoGreen Plusによるインセット(削減)により、下流における輸送や流通を含む企業のバリューチェーンで発生する間接的な温室効果ガスに値する「スコープ3」の排出量削減が可能になったと強調。オフセットと異なり、インセットは事業活動に直接関連する排出量を削減する取り組みのため、Science Based Targetsイニシアチブの下、炭素削減の取り組みとして認定される。
GoGreen Plusサービスは2050年までに排出量ネット・ゼロを達成するというドイツポストDHLグループの持続可能性に関する目標達成のための手段。2030年までに全て航空輸送において燃料の30%をSAFへ転換するという中間目標の達成にも貢献することを目指す。
(藤原秀行)