大日本印刷と双日、ダイヘンが共同で実用化へ
大日本印刷(DNP)と双日、ダイヘンは3月14日、ワイヤレス充電機能を搭載した商用電気自動車(EV)の実用化に向け、業務提携すると発表した。ワイヤレス充電機能を搭載した商用EVでは国内初となる登録の認可を軽自動車検査協会から取得、公道での実証を開始した。
EV関連事業と周辺設備を含めた「グリーンEVインフラ事業」(再生可能エネルギー由来の電力による充電を前提としたEVインフラ整備事業)に取り組んでいる双日は、「ワイヤレス充電システム」の開発を推進してきたダイヘン、充電時に磁気を帯びた空間がコイルの外側に発生する漏洩磁界を低減させた薄型・軽量な「ワイヤレス充電用シート型コイル」を開発するDNPと連携。
同コイルを使用した車両側受電コイルと地上側送電コイル設備の開発に取り組み、システム化に成功した。このシステムを用いたワイヤレス充電の実証実験を行うため、双日が提供する商用EVを使い、3社合同で試作車両を開発、昨年11月にワイヤレス充電機能を搭載した実証実験用の商用EVが完成した。
今年2月にはワイヤレス充電機能を搭載した商用EVで国内初の改造車登録の認可を軽自動車検査協会から取得した。
ワイヤレス充電は車体と充電器をケーブルで接続する必要がないため、充電作業の負荷軽減と利便性の向上が見込まれる。脱炭素社会の実現に取り組む企業でのEV運用が増加する中、ワイヤレス充電の実現により、充電ケーブルに起因するトラブルやメンテナンス費用、充電スペースの削減などが期待できる。
自動駐車技術との親和性も高く、ドライバーを充電作業から解放する完全自動充電が可能となるため、早期の普及が望まれている。
3社は提携を通じて、ワイヤレス充電機能を搭載したEVの車種拡大と実用化を早期に実現していきたい考え。
(藤原秀行)※いずれも3社提供