セイノーHDやエアロネクスト、島根・雲南市で社協から地域住民への弁当をドローン配送の実証実験

セイノーHDやエアロネクスト、島根・雲南市で社協から地域住民への弁当をドローン配送の実証実験

8kmを18分で無事空輸

島根県雲南市とセイノーホールディングス(HD)、エアロネクストと子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERY、KDDIスマートドローンは3月20日、同市内の道の駅掛合の里とはたマーケットを物流拠点として設定し、3月17~18日にドローン配送を実施したと発表した。

昨年9月に雲南市とセイノーHD、エアロネクストの3者はドローンを含む次世代高度技術を活用して物流ネットワーク維持など地域課題の解決に貢献することを目指す包括連携協定に締結した。今回の実験もその一環。

セイノーHDとエアロネクストが開発を推進している、ドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」の社会実装を目指して実施。実際のドローン運航のオペレーションはNEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが担った。


集合写真


おでんと焼鯖弁当を載せて離陸する物流専用ドローン「AirTruck」 (はたマーケット前のグラウンド)

入間地区で実施されているボランティアの配食サービスで、社会福祉協議会への弁当の引き取り業務をドローンに置き換えをすることで効率化できるかどうかを実証。また、はたマーケットの利用者拡大を図る目的で、マーケットへの来訪が困難な高齢者をメーンにアプリで注文した商品をドローンでオンデマンド配送する実証も行った。

今回のドローン配送の実証はいずれもエアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」を使用。機体の制御にはKDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズの運航管理システムを活用した。

3月17日に報道関係者へ公開した実験はまず、社会福祉協議会を仮設の「ドローンデポ」(配送商品集約・発送拠点)に活用し、片道約8km先の仮説の「ドローンスタンド」(荷物受け取り場所)とした入間介護事務所に向けてドローンは約18分で飛行し、配食サービスの弁当1食分を届けた。

「買い物難民」問題をドローン物流で解決するため、ユーザー役の住民モニターが注文した商品で構成される「おでんと焼鯖寿司のセット」(約2.4kg)をはたマーケットから搭載し、離陸地点の入間交流センターまでの片道約7.3kmを、ドローンが約16分で空輸した。

到着した商品は偏ったり崩れたりすることなく、無事、入間交流センターで待っていた地域住民モニターの手に届けられた。


おでんと焼鯖弁当の入ったドローン用の箱を受け取るスタッフ

(藤原秀行)

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