関西圏の大規模物流施設、10~12月は前期に続き賃料0.1%上昇

関西圏の大規模物流施設、10~12月は前期に続き賃料0.1%上昇

JLL調査、「堅調な需要継続」と分析

JLL(ジョーンズ ラング ラサール)が3月20日公表した関西圏の大規模な賃貸物流施設市場に関する調査結果によると、2022年第4四半期(10~12月)の期末時点の空室率は1.8%で、前期(7~9月)からほぼ横ばいだった。

ベイエリアは前期から0.5ポイント上昇し1.4%、内陸エリアは0.7ポイント低下し2.5%と動きが分かれた。

新規供給はなく、総賃貸可能面積は前期比で横ばい、前年同期比1.6%増加となった。

ネットアブゾープション(吸収需要)は既存物件に需要が流れ込んだ影響でプラス1900㎡だった。JLLは「既存物件の空室発生予定の区画で後継テナントが決まったり、新規供給予定の物件でテナントが決まるなど、全体としては堅調な需要は続いている」と分析している。

期末時点の坪当たり月額賃料は4074円で、前期比0.1%、前年比0.5%それぞれアップした。JLLは「新築物件の高水準な賃料が既存物件にも波及し、全体の賃料を押し上げる状況が続いている」との見解を堅持した。

2023年に関しては、ベイエリアと内陸エリアの両方で複数の大型プロジェクトが進行しているため、需給の緩和が見込まれると指摘。「立地によってはテナント誘致に時間を要する物件も予想されることから空室率は3~4%程度まで上昇すると予想される」と説明した。

また、新規供給は以前より物件が集積する大阪、兵庫以外に京都南部や滋賀、奈良などのエリアへ拡大する動きが続いていると解説。賃料に関しては「建築コスト上昇による募集賃料が強含んでいることや需要が堅調であることを受けて上昇が続くと予想される」と指摘した。。

調査対象は近畿2府4県で2000年以降に竣工した延べ床面積5万㎡以上の賃貸物流施設。

(JLL発表資料より引用)

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事