日本アクセスが協力会社組織の総会で表明
日本アクセスは3月8日、東京都内で、協力物流会社約70社で構成する「アクセスロジスティクス会」の第8回総会を開いた。
同社幹部が登壇し、食品卸や3PLなど主要事業を存続、成長させていくために物流コストの抑制へ取り組みを加速していく方針を説明、理解と協力を求めた。併せて、安易に会員数を増やすのではなく、基本的に現行の会員と連携を強化してサービスレベル向上などを図っていく方針を明確に示した。
アクセスロジスティクス会の総会
「ダントツロジ機能」強化を明言
冒頭、同会の鎌田正彦会長(SBSホールディングス社長)があいさつし、トラックドライバー不足の現状に言及。「政府は外国人労働者を活用するにはトラック協会や倉庫協会、冷蔵倉庫協会など物流関連の各業界団体の総意が必要だと言っている。人口減少下での物流安定化は大きな課題であり、会員各社の力も得て、何とか外国人の方が働ける環境づくりを図り、人手不足を解決してもらえるようにしたい」と強調、協力を呼び掛けた。
あいさつする鎌田会長
続いて、日本アクセスの西村武副社長が経営の概況と今後の方針を説明。2018年度の第3四半期までの累計(4~12月)で販管費率が売上高総利益率を上回る伸びを見せており、物流費も前年同期比で2%ほど増えていることなどに触れ「(物流費増加は)下手をすると経営の中で危機的な要素にもなりかねない。人手不足をどうクリアできるか考えて対応していきたい」と語り、物流コスト抑制へ生産性改善を図る重要性を繰り返し強調した。
第7次中期経営計画で進める取り組みの一環として、以前から掲げている「ダントツロジ機能」を強化していく意向を明言。物流管理のKPI(重要経営 指標)として誤出荷率や庫内運用のコスト、トータルの作業生産性、計画時間内作業率などを重視、業務プロセス改善につなげていく意向を示した。
経営方針を説明する西村副社長
全国の卸拠点に入荷管理システム導入を継続
同社でロジスティクス事業を管掌する宇佐美文俊取締役常務執行役員は「アクセスロジスティクス会は会員を増やして拡大する会ではなく、数百の物流の取引先を本会の会員企業の皆さまを中心に集約し、物流品質向上を図りながら、当社が皆さまと一緒に成長を目指す会」と説明。今後は原則として現状の会員でサービスレベル向上や業務効率化に向けた活動を深化させることに主眼を置き、やみくもに会員数を増やすことを目的としないと明言した。
また、同社顧客のメーカーが商品価格を一斉に値上げしているのに伴い、会員の協力企業に対して人件費などの原価上昇とバランスを取りながらサービス単価の水準を検証していくことに協力を要請。「トラックドライバーがいないといっても中には着実に集められている企業もある。どういう環境にしていけばいいか皆さまにも検証していただきたい」と呼び掛けた。
続けて、全国の物流改善事例の中から優秀なものを発表。日本アクセスFS総合支店TPLC運営第1課課長代行の後藤祐一氏と、南日本運輸倉庫の澤路香川口物流センター長がプレゼンテーションした。
物流費の値上げなどの影響で悪化していたセンターの収益を改善するプロジェクトを立ち上げ、顧客の店舗への商品配送トラック1台当たりの積載効率を上げるとともにより効率的な配送を行えるようコースを見直すなどした結果、収益を大幅に改善できたことをアピールした。
最後に所用で欠席した日本アクセスの佐々木淳一社長によるビデオメッセージを流した。佐々木社長はドライバーの入荷待機時間削減へ全国の卸拠点に入荷管理システムの導入を進めており、19年も継続すると説明。「パートナー企業の皆さまと一緒に環境変化へ対応していきたい」と抱負を述べた。
(藤原秀行)