セイノーHDやエアロネクストなど、徳島・佐那河内村でドローンが弁当配食や買い物代行にチャレンジ

セイノーHDやエアロネクストなど、徳島・佐那河内村でドローンが弁当配食や買い物代行にチャレンジ

軽作物輸送も、地域の物流ネットワーク維持図る

セイノーホールディングス(HD)とエアロネクスト、子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERY、KDDIスマートドローンは3月27日、徳島県佐那河内村で3月24日、同村役場庁舎を起点とした「中山間地域におけるドローン配送」の実証実験を行ったと発表した。

4社は連携し、ドローンや軽車両などを組み合わせて地域の物流ネットワークを維持する新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」の展開を進めており、今回の実験もその一環。

今回の実証実験では、①福祉分野での弁当配食サービス②農業分野での軽作物輸送③買い物代行サービス――について、住民の理解度向上、地域課題の洗い出しを目的として、仮設の「ドローンデポ」(荷物発送拠点)と「ドローンスタンド」(荷物受け取り場所)を設置、実施した。

エアロネクストがACSLと共同開発した物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」を採用し、機体の制御にはKDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を使って機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズの運航管理システムを活用した。

軽作物輸送を想定して、嵯峨老人憩の家から佐那河内村役場までの片道約1.6㎞を約4分で、弁当配食サービスを想定して佐那河内村役場から佐那河内村保険センターまでの片道1.8㎞を約4分で、買い物代行サービスを想定して佐那河内村役場から桜集会所までの片道4.1㎞を約9分でそれぞれドローン配送を実施、成功した。


2人分のお弁当とお茶を配送し再度離陸した物流専用ドローン「AirTruck」 (佐那河内村保健センター前)

佐那河内村は徳島県内の中山間地域に属し、生活には自動車が不可欠。しかし、村の人口と世帯は今年1月末現在で2171人・942世帯にとどまり、高齢化率は47.6%に達している。

運転免許証を返納する高齢者も増加傾向にあり、買い物難民が深刻化する懸念もある中、ドローンを生かして物流基盤の維持を図る。4社は今後、実証実験で明確になった課題を踏まえ、医薬品配送、フードデリバリーの配達代行、共同配送や貨客混載なども組み込んで地域コミュニティの活性化につながる新スマート物流を実現していきたい考え。

(藤原秀行)※写真はエアロネクスト提供

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