住友林業が九州電力と連携、米バージニア州で4.7万㎡の物流施設開発へ

住友林業が九州電力と連携、米バージニア州で4.7万㎡の物流施設開発へ

旺盛な配送需要取り込み、収益基盤強化図る

住友林業は3月31日、100%子会社のCrescent Communities(クレセントコミュニティーズ、米ノースカロライナ州シャーロット)が米バージニア州リッチモンド近郊でマルチテナント型物流施設を開発すると発表した。

プロジェクトには九州電力が現地法人Kyuden Urban Development America(九電アーバン・デベロップメント・アメリカ、米デラウェア州ニューキャッスル)を通じて参加する。

米国東海岸で旺盛な物流需要を取り込み、海外不動産事業の収益基盤強化を図る。総事業費は5700万米ドル(約77億円)で、5月に着工し、2024年7月の竣工を目指す。

平屋建てで敷地面積は約23万㎡、延床面積は約4.7万㎡を計画。開発主体はCrescent CommunitiesとKyuden Urban Development Americaが共同出資するSPC(特別目的会社)が担う。

住友林業の100%子会社SFCアセットマネジメントがプロジェクトの取りまとめを手掛ける。

開発に際しては、住友林業が日本単独代理店契約を締結したソフトウェアで建設にかかる原材料調達から加工、輸送、建設、改修、廃棄時のCO2排出量を精緻に算定できる「One Click LCA」を活用。建物のライフサイクルアセスメントを通じて、建てる際のCO2排出量など環境への影響を数値化、評価する。建物の環境認証「LEED」の取得も目指し、環境に配慮した開発を推進する。

リッチモンド市は人口増加率が全米平均を上回り、近年はアマゾンやウォルマートが新たな物流施設を確保するなど、物流サービスの需要が旺盛。新たな施設は市中心街から車で南に約15分(25km)、リッチモンド国際空港から約20分(30km)のマイアミからニューヨークまでを結ぶ州間高速道路95号線沿いに立地。交通利便性に強みを持つ。

近隣には大手の玩具メーカーや自動車メーカーの工場、複数の大手輸送会社が存在し、底堅い物流需要が見込める。東海岸の主要港、バージニア港にもトラック輸送が可能。

住友林業グループは2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」で事業方針の1つに「グローバル展開の進化」を位置付けており、今回のプロジェクトもその一環。今後も国内外での不動産開発を推進し、長期ビジョン実現に向けて収益基盤を強化していきたい考えだ。


施設イメージ

■物件概要

物件名 :Axial Gateway 95
所在地 :米バージニア州リッチモンド近郊チェスターフィールド市
延床面積(予定) :約4.7万㎡ (505,068平方フィート)
構 造 :鉄筋コンクリート造1階建て
着工(予定) :2023年5月
竣工(予定) :2024年7月

(藤原秀行)※写真はプレスリリースより引用

物流施設/不動産カテゴリの最新記事