斉藤国交相、ヒアリング調査結果を説明
斉藤鉄夫国土交通相は4月4日の閣議後記者会見で、国交省元事務次官の本田勝氏(現東京メトロ会長)が空港のオフィスビルや格納庫の管理・運営などを手掛ける東京証券取引所プライム市場上場の空港施設のトップ人事に介入していた問題に関し、本田氏からの聞き取り調査の結果を公表した。
調査は4月3日、国交省の宇野善昌官房長と足立基成人事課長が本田氏に対して実施した。
斉藤国交相によると、本田氏は聞き取りに対し、昨年12月に空港施設を訪問し、乗田俊明社長、稲田健也会長と面会。国交省OBの山口勝弘副社長(当時、4月3日付で辞任)を今年6月に予定している同社役員人事で社長に昇格させるよう求めたことを認めた。乘田社長は、社長人事は会社としての手続きを踏んで決定する旨を説明、受け入れを拒否した。
本田氏は調査に対し、「それ以降は何もしていない」と答えたという。
また、本田氏が乗田社長らと面会した際、「国交省の有力なOBの名代」として来たとの趣旨の発言をしたことに関しては、調査の中で、このOBが元事務次官の小幡政人氏と安富正文氏の2人だったことを明らかにしたという。
この2人はいずれも旧運輸省の出身で、小幡氏は2001~02年、安富氏は06~07年にそれぞれ事務次官を務めた。
斉藤国交相は、国交省の現役職員から役員人事に関する要請はなかったと説明。「2007年に出来た法律、ルールに則って厳格に公務員の再就職について行われていることを再度徹底したい」と語った。
山口氏が副社長を辞任した理由については「聞き取りでは、東証プライム市場上場の企業として混乱を招いた責任を取ることが理由であるとお聞きしているが、私としてはコメントする立場にない」と述べた。
小幡、安富の両氏に対する聞き取り調査を実施するかどうかについては「本田元事務次官からの聞き取りにおいても国交省の権限に言及するといったような言動は一切ないということであり、聞き取りを行う予定はない」と答えた。
(藤原秀行)