アセンド、「2024年問題」対策で労務情報と連動したデジタル配車表機能の提供開始

アセンド、「2024年問題」対策で労務情報と連動したデジタル配車表機能の提供開始

法令順守を促進、今後1年間は無償提供

物流DXを支援するアセンドは4月20日、トラック運送事業向けの業務管理クラウドサービス「LogiX(ロジックス)」に労務管理機能を追加したと発表した。

デジタルタコグラフなどから取得するドライバーの労務情報が配車表と連動し、法令順守した配車計画の作成・労務管理を容易に行えるようになるのが特徴。

2021年に厚生労働省が公表したところによると、自動車関連事業者の約81%が労働基準法違反、約53%が改善基準告示違反を犯しており、中でもバスやタクシーなどの他業種に比べ、トラック運送事業者の改善基準告示違反の割合が約2倍高く、トラック輸送業界全体としてコンプライアンス順守経営へ向けた管理体制の確立が急務になっている。

24年度からはトラックドライバーの長時間労働規制が強化されるため、これまでのような労務管理のままでは行政処分の対象となる懸念もあり、安定的な事業継続の観点からも、管理意識の見直しが強く求められている。

一方で、運送事業者の約6割が営業利益ベースで赤字経営をしているとも言われており、経営改善のハードルが高いことも課題。アセンドは現状を踏まえ、少しでも導入しやすい形で運送事業者の転換期を支援するため、運送事業者の業務管理ツールに新搭載する本労務管理機能を今後1年間は無料で使えるようにした。同社製品の基本機能の使用料は別途発生する。

新機能は点呼記録やデジタコデータをロジックスに取り込めば、配車画面上でドライバーごとの労務の実績を、労働基準法や改善基準告示の参照項目に合わせた形で把握できる。


配車表上でカーソルをドライバーに合わせると、労務情報が表示される

アセンドは新機能の活用で、注視すべき項目に合わせて日々労務データを加工し直す手間や、従来は別帳簿で管理されている労務情報を幾度参照しながら配車を組むという業務の煩雑性を効率化しながら、適切な労務管理に則った業務計画の作成が可能になると見込む。

(藤原秀行)※いずれもアセンド提供

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