AZ-COM丸和、埼玉・松伏町に8.3万㎡の低温機能付き物流センター開設へ

AZ-COM丸和、埼玉・松伏町に8.3万㎡の低温機能付き物流センター開設へ

1期目で25年4月稼働開始予定、総投資額230億円見込む

AZ-COM丸和ホールディングス(HD)は4月21日、既に方針を開示している、埼玉県北葛飾郡松伏町で建設する新たな物流センター建設計画の詳細を発表した。

中期経営計画でコアのEC物流、低温食品物流、医薬・医療物流の各種事業の物量増大に対応するほか、災害時に配送を持続するBCP物流の推進を目指しており、その一環として、松伏田島産業団地内で最先端設備を有する新規食品物流センターを建設する。

2期に分けて開発する方針で、1期は地上5階建て、延床面積は8万3041㎡を計画。2025年1月の竣工、同4月の稼働開始を想定しており、総投資額は約230億円を見込む。2期は今後、詳細を詰める。

都心から25㎞圏内の立地優位性を生かし、大型冷凍・冷蔵設備を装備するとともに免震構造を採用することで、「首都圏の大規模災害時における食料などの供給基地」を果たすBCP物流拠点としても稼働できるようにする。

全国各地からのコールドチェーンを多様な輸送モード(鉄道・航空・船舶)でつなぐ産直ネットワークの拠点としてフードロス問題の解決に取り組むほか、食品流通が抱える様々な課題解決を図る。

具体的には、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024 年問題」への対応として、、低温トラック輸送・鉄道輸送におけるクールコンテナ活用・航空輸送・船舶輸送を活用した物流効率化の追求で、持続可能な物流の実現を目指す。

また、複数産地・複数メーカーからの在庫一括管理による適正な流通在庫管理の実現でサステナブルな食品流通を構築し、有事のサプライチェーン分断も回避。さらに、国家プロジェクトのSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の「スマート物流サービス」を早期に実装することも計画している。

〔センター概要〕
名称 AZ-COM Matsubushi A棟(仮称)
所在地 埼玉県北葛飾郡松伏町田島南1-1
敷地面積 116,379.45㎡(35,204.78坪/2022年7月取得済)
延床面積 83,041.01㎡(25,117.78坪)
構造等 地上5階建、免震構造
1階冷蔵、2階冷凍・冷蔵、3~5階ドライ、5階にはBCP倉庫・食堂を併設
工事期間 着工2023年6月、竣工2025年1月(予定)
稼働開始 2025年4月(予定)
総投資額 230億円程度

上記は1期の概要で、2期工事については建設費高騰の影響も考慮し、投資環境を見極めながら慎重に検討を進める。

2025年春に工事完了予定の「東埼玉道路」に隣接し、開通後は高速道路(外環道)へのアクセスが格段に向上される見込み。さらに、後年の専用部開通(高架)に伴い、河川氾濫による浸水想定区域を回避するネットワークが形成され、災害時の支援活動や物資輸送への貢献が大いに期待できるとみている。


イメージ図(プレスリリースより引用)

一方、同社は建設費用に一部充当するため、シンジケーション方式によるコミットメント期間付タームローン契約を締結したことも公表した。柔軟かつ機動的な資金調達と安定した財務基盤の維持を目指す。

〔概 要〕
借入限度額 100億円
契約締結日 2023年4月21日(予定)
コミットメント期間 2023年6月1日~2025年7月30日
タームローン返済
方法・期日
3カ月ごと元金均等返済(コミットメント期間終了後)
期日 2045年7月31日(期間20年)
アレンジャー 埼玉りそな銀行、りそな銀行
エージェント りそな銀行
参加金融機関 埼玉りそな銀行、りそな銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行

(藤原秀行)

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