公表前の国交省人事情報、現役職員が外部のアドレス173件にメール送信

公表前の国交省人事情報、現役職員が外部のアドレス173件にメール送信

斉藤国交相が説明、OBの民間企業介入問題に関連し報告

斉藤鉄夫国土交通相は5月12日の衆議院国土交通委員会で、国交省OBが民間企業の経営幹部人事に介入していた問題に関連し、正式公表前の国交省内の人事情報が、現役の職員から外部にメールで送られていたことを確認したと説明した。

今年4月に現役職員から一斉送信されたメールの宛先は計1058件で、このうち173件は非政府系の外部のアドレスだったという。

国家公務員法は、再就職を目的として、現役の職員が企業側に職員の情報を提供することを禁じている。斉藤国交相は「慣習的に広く共有されてきたもので、OBを企業などに就かせることを目的として情報を提供しておらず、直ちに規制に違反するものではない」と釈明。

同時に、「正式公表前に外部に共有されていたことは遺憾で、事務方に厳しく注意した」と強調、改善策を検討する意向を表明した。併せて、外部のアドレスのどこに送られていたかを最大限努力し、具体的に調査する考えを明らかにした。

同問題では、空港のオフィスビルや格納庫の管理・運営などを手掛ける東京証券取引所プライム市場上場の空港施設で、外部の弁護士らによる独立検証委員会の調査で、国交省OBの山口勝弘取締役(当時、元東京航空局長)が21年に国交省の意向と受け取ることができるような表現をしながら自らを副社長に昇格させるよう求め、実現させていた(今年4月3日付で辞任)ことなどが明らかになっている。

調査結果の中で、山口氏が空港施設の取締役だった際、国交省の大臣官房総務課や航空局総務課の現役職員が、当時は一般に公開されていなかったとみられる国交省の人事情報を山口氏にメールで送っていたと言及していた。

この日の衆議院国交委員会で、立憲民主党の城井崇議員が空港施設の独立検証委員会の調査結果などに関して質問したのに対し、斉藤国交相は調査結果の中で指摘されていた、山口氏に人事情報のメールが実際に送られていた件について確認したと報告。氏名や移動先などを記載していたという。

(藤原秀行)

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