国交省ネット調査、防犯面の不安から抵抗感も根強く
国土交通省は3月25日、インターネットを通じて実施した「通信販売と宅配便の再配達に関する調査」の結果を公表した。政府が同日開いた、宅配で住宅の玄関先や水道・ガスのメーターボックスなどユーザーが指定した場所に荷物を届けるサービス「置き配」の普及促進策を議論する官民検討会で報告した。
調査は置き配に関し、「知っており、利用したことがある」と「知らなかったが、利用してみたい」を合わせると回答者全体の4割弱となった。
半面、「知らなかったし、今後も利用してみたいと思わない」が2割を上回るなど、防犯面での不安から利用に抵抗感を覚えている人も一定数存在することが浮き彫りになった。
検討会は宅配の再配達削減の有効な手段とみて、置き配の普及を目指す構えだが、盗難のリスクへの対応などが課題となりそうだ。
利用したことがない・したいと思わない理由は「盗難されないか心配」が4割
調査は昨年12月、同省の行政に関するネットのモニターを対象に実施、回答は905人だった。
置き配について「知っているが、利用したことがない」との答えが最も多く37・9%、続いて「知らなかったが、利用してみたい」が29・0%となった。「知らなかったし、今後も利用してみたいと思わない」は25・0%、「知っており、利用したことがある」は8・0%だった。
置き配を利用している、または利用してみたいと語った人に理由を尋ねたところ、「配達を待たなくていいから(不在時でも受け取れるから)」が74・9%で圧倒的にトップ。「在宅時でも(玄関前に出ることなく)受け取れるため」は11・3%、「住居に『宅配ボックス』がないため仕方なく」が8・6%となった。
一方、利用したことがない、または利用してみたいと思わない理由に関しては、「盗難されないか心配だから」が40・9%で最多。「通販サイトや購入商品、宅配事業者などが『置き配』に対応していないから」(20・9%)、「不在であることが分かってしまうから」(13・1%)、「衛生面で不安だから」(8・3%)、「オートロック式のマンションなので、利用できないから」(7・0%)などと続いた。
どうすればもっと置き配を利用できる、もしくは利用したいと思うかとの設問(複数回答可)に対しては、「万が一盗難などがあった場合、通信販売または宅配事業者側で迅速に対応してもらえること」が全体の2割程度を占めた。「万が一盗難などがあった場合、損害保険を利用できること」、「いろいろな商品や通信販売事業者、宅配事業者などで利用できること」などの順に多かった。
国交省は盗難へのリスク対応に加え、「注文した品目に応じて置き配にするか否かを選択できることは、置き配利用の必要最低条件」と指摘した。
(藤原秀行)
※写真はYperが展開している置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」の利用イメージ(同社提供)