安田倉庫、シンガポールとインドで現地企業からフォワーディング事業など取得へ

安田倉庫、シンガポールとインドで現地企業からフォワーディング事業など取得へ

物流網の海外展開拡大図る

安田倉庫は6月8日、シンガポールとインドでそれぞれ現地企業からフォワーディング事業などを取得すると発表した。両国で新たに100%子会社を設立し、事業を継承する。

シンガポールのWorldgate Express Lines(ワールドゲート・エクスプレス・ラインズ、WGS)からフォワーディング事業を、インドのWorldgate Express Lines International(ワールドゲート・エクスプレス・ラインズ・インターナショナル、WGI)からフォワーディングやコンテナ混載輸送、倉庫の各事業をそれぞれ取得する。具体的な取得額や資産規模は開示していない。

安田倉庫は今年6月にシンガポールで「Yasuda Logistics Singapore」、8月にインドで「Yasuda Logistics India」をそれぞれ立ち上げる予定で、事業を引き継いで展開する。WGSの事業は9月末、WGIの事業は12月末までにそれぞれ新会社が営業権を取得する予定。

安田倉庫はグループで2030年の在るべき姿として「長期ビジョン 2030」と、長期ビジョンを実現するための中期経営計画「変わらず、変える。YASDA Next Challenge 2024」を策定。物流事業の成長を目指し、「付加価値の高いサービスの提供に向けたソリューションの強化とネットワークの拡充」を基本戦略に据え、輸配送ネットワークを国外へ拡大する取り組みを進めている。

アジア地域で新たな輸配送ネットワークの構築を図るため、WGSとWGIから全ての事業営業権を譲り受けることにした。WGSはシンガポールで30年以上、WGIはインドで20年以上にわたりフォワーディング業などを営んでおり、シンガポールに1拠点、インドに11拠点を構えている。

日本、中国、ベトナム、インドネシアの拠点を中心に展開する安田倉庫グループのフォワーディング事業に、WGSとWGIのシンガポール、インドを中心とした物流ネットワークが加わることでシナジーを発揮、海外・国際物流のサービスメニュー拡充につながると見込む。

当該事業の2022年3月期収益はWGSが売上高約13億円、経常利益約1億1500万円、WGIが約18億円と約6000万円。

(藤原秀行)

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