アマゾン、フルフィルメントセンターを前年比10%増の40万立方メートル超に拡大

アマゾン、フルフィルメントセンターを前年比10%増の40万立方メートル超に拡大

休暇シーズン控え物流体制強化、3都府県で配送拠点5カ所新設も

アマゾンジャパンは11月25日、インターネット通販の利用が増加する年末年始の休暇シーズンに向け、物流体制を強化したと発表した。

ネット通販出店事業者向けの物流サービス「フルフィルメントby Amazon(FBA)」を手掛けるフルフィルメントセンター(FC)を前年比10%増の約40万立方メートル超まで拡大。東京、千葉、埼玉の3都県に配送拠点のデリバリーステーション(DS)を5カ所新設した。併せて、保管・出荷数量の増加に備え、約3000人を追加で雇用した。

同社は既に今年9月に東京都青梅市、10月には千葉県流山市で新たなFCを開設。アマゾンジャパンは開示していないが、前者は野村不動産、後者は大和ハウス工業が開発した物流施設に入居している。FCは全国で約20カ所に達している。

DSは新設した5カ所を含め、全国で約30カ所に上る。デリバリーサービスパートナープログラム(DSP)による協力物流事業者のネットワークを拡大。比較的人口の少ない宮崎県、大分県などでも地元の配送業者と組み、宅配網を構築した。

荷物の受け取り方の多様化として、ネット通販で購入した商品を玄関先など指定した場所に届ける「置き配指定サービス」を30都道府県で導入。対面での商品受け取り不要という利便性をアピールしている。また、東京都、埼玉県、千葉県、大阪府など23都道府県に1800台以上のAmazonロッカーを設置し、商品を好きなタイミングで受け取ることができるよう配慮している。

新しいAmazonロッカーは完全な非接触型で、利用者はバーコードリーダーやタッチスクリーンの代わりに、Bluetoothを使ってロッカーを開けられる。アプリ上の案内も簡素化し、受け取りたい場所のロッカーを探しやすくした。

このほか、日本でも3月に始めた、オートロックのマンションへの配送を効率化する「Key for Business」のサービスエリアを拡大。マンションのオーナーや管理会社の承認の上で、アマゾンジャパンが委託した配送業者や配送ドライバーが専用の配送アプリでマンションのオートロックを解除できるようにしており、置き配を可能にしている。現在は10都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県)の800棟以上のマンションで利用可能。

有料のプライム会員向け配送オプションとして、東京での「当日便」の配送スピードをさらに迅速化したことなども紹介している。

(藤原秀行)

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