免震・制振不正、メーカーに検査データ保存を要望

免震・制振不正、メーカーに検査データ保存を要望

国交省有識者委が再発防止へ提言盛り込んだ報告書

国土交通省は3月27日、KYBや川金ホールディングスによる建物の免震・制振装置の検査データ改ざん問題を受け、不正の再発防止策を協議する外部有識者委員会(委員長・深尾精一首都大東京名誉教授)の第4回会合を開き、報告書をまとめた。

建築基準法に基づいて免震装置に用いる材料の性能が国の基準を満たしていると国交大臣が認定する現行制度を見直し、メーカーに対して検査結果の信頼性や正確性を確認する上で必要なデータを保存するよう明確に求めることなどを提言した。

KYBの事案で「(改ざんする際の)補正前や補正過程のデータは残らない仕組みとなっていたことが改ざんを助長したと考えられる」点を問題視した。国交省は報告書の内容を踏まえ、同制度に関連する告示を2019年度中に改正するなどの対応を進める。


第4回会合で報告書を取りまとめた外部有識者委員会

発注者や国のチェック強化も要望

報告書は、不正の背景として
①検査結果に関する社内のチェック体制が不十分だった
②検査機器に対するデータ改ざん防止措置が不十分だった
③規範意識が欠如していた
④生検査データの保存に不備があった
⑤製品の発注者など外部への情報提供が不十分だった
――といった点を列挙。

こうした状況を踏まえ、免震装置に用いる全ての材料で検査データの保存・改ざん防止を徹底するよう要求。装置の発注者側が出荷検査に立ち会ったり、装置の性能確認をしたりすることを対策として盛り込んだ。

併せて、大臣認定を受けた製品に対する国交省のサンプル調査について、対象数を増やすなど内容を拡充するよう提案した。

不正事案については「2015年に東洋ゴム工業(現TOYO TIRE)による免震ゴム不正が判明した後も行われてきたという点で極めて悪質かつ深刻」と強く非難。

問題を起こしたKYBなどに対し「責任を持って(当該装置の交換などを)最後の1棟、1本まで速やかに遂行するという姿勢に基づき、所有者などとの調整を加速させ、可及的速やかに交換を進めることが必要であり、取り組み状況も継続的に公表されるべき」と強調。国交省にも両社を継続して監視するよう訴えた。

(藤原秀行)

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