百貨店協会、「2024年問題」対応へ納品リードタイム緩和を推進

百貨店協会、「2024年問題」対応へ納品リードタイム緩和を推進

店舗開店前も解消へ

日本百貨店協会は6月23日、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴い物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」への対応として、納品リードタイムの緩和などを進めていると発表した。

同協会は百貨店や納品代行事業者、アパレル・ファッション関連事業者の総意として、納品リードタイムの緩和と、「開店前納品」の是正に取り組むと表明。同協会で6月に全国の加盟百貨店向けの説明会を開き、同協会としての検討内容と実証結果の共有を図ったという。

納品リードタイムの緩和に関しては、納品量が多い店舗で旧来は開店時間に間に合わせるために複数のトラック(ドライバー)で納品を行ってきたが、今後は1台のトラックによるピストン運行に切り替えることで、ドライバー不足の解消に努める。


ピストン運行の実例

また、納品量の少ない店舗は低積載率で複数回の納品を行ってきたが、今後は納品回数を減便し集約することで積載効率の向上を進める。


集約運行の実例

併せて、百貨店業界の慣例として、店舗の開店時間に合わせて品揃えをするために、検品が必要な商品については、物流事業者が深夜に検品作業を行い、早朝にドライバーが集荷することで、開店前までに商品を納品してきた。同協会はこの対応として、検品作業を日中に移行し、納品時間を開店後にずらすことで、物流事業者の深夜業務のうち、検品作業を削減し、トラックドライバーの労働時間短縮も図ると説明している。


開店前納品の是正の実例(いずれもプレスリリースより引用)

同協会は今後、雑貨などその他の商材への拡大も視野に入れている。

(藤原秀行)

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