商船三井と米石油大手シェブロングループ、脱炭素へ戦略的提携

商船三井と米石油大手シェブロングループ、脱炭素へ戦略的提携

環境負荷低い次世代燃料の共同研究など推進

商船三井は6月23日、米石油大手シェブロンのシンガポール法人Chevron Singapore(シェブロンシンガポール)とエネルギー・輸送業界の脱炭素に向け、戦略的提携に関する覚書を締結したと発表した。

両社はエネルギー・輸送業界の脱炭素化をリードするため、世界各域でLNG(液化天然ガス)燃料やバイオ燃料など環境負荷が低い次世代燃料の共同研究を進めるほか、船舶輸送における脱炭素化取り組みの安全対策と法規制への対応を共同で検討。脱炭素社会につながる様々な潜在的なビジネスチャンスで協働を模索する。


署名式に臨んだ(左から)商船三井・塩津伸男専務執行役員、Chevron Shipping Company LLC Director Marine Commercialのデビッド・ボール氏(プレスリリースより引用)

シェブロングループの海運会社Chevron Shipping(シェブロンシッピング)のマーク・ロス代表は「この提携を通して、シェブロンは低炭素な原油、石油製品、天然ガス開発を主導するとともに、主要産業の温室効果ガス削減に資する、新しい製品や解決策を推進していく。これがシェブロンのエネルギーの進化に向けての一つの取り組みとなる」と述べた。

商船三井の塩津伸男専務執行役員は「商船三井は、この度のChevronとの覚書締結を通じて温室効果ガス排出削減を共同で検討する機会が得られたことを大変光栄に思う。まずは長期にわたり定期用船を継続してきたタンカーで次世代燃料の利用や風力・電力利用といった新たな脱炭素技術の導入など、あらゆる手段を検討し、実行に移していく。その上でその取り組みを他事業でも拡大していきたい」と強調した。

商船三井は経営計画「BLUE ACTION 2035」で環境戦略を主要戦略の一つとして位置付け、「商船三井グループ環境ビジョン2.2」では2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目標に設定している。今回の提携で船舶の燃費改善と温室効果ガス削減を推進するとともに、低・脱炭素化社会の実現に貢献を目指す。

(藤原秀行)

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