売り上げの一部は寄付、会員40万人超え
フードロスを防ぐため、売れ残って賞味期限が迫っている食料品などを専門に取り扱うECサイト「Kuradashi(クラダシ)」を運営しているクラダシ(東京都品川区大崎)が6月30日、東京証券取引所のグロース市場に上場する。
上場で調達する資金は情報システムへの投資などに充てる。
小売業の「3分の1ルール」に抵触するなどして廃棄予定の食料品をパートナーのサプライヤーから安価で買い取り、ECサイト会員に廉価で販売している。Kuradashiへの出品はパートナー企業から一括で納入してもらう「在庫型」と、会員から受注した分だけ収めてもらう「マーケットプレイス型」の2パターンを設定している。
2014年7月に「グラウクス」として発足。15年2月にKuradashiのサービスを始め、19年6月に現社名へ変更した。
Kuradashiは季節品や地域特産品なども取り扱っている上、売上金の一部は購入した会員が選んだ環境保護団体などへ寄付している。社会の持続可能性に配慮した「エシカル消費」を実現している点が人気を博し、会員は40万人を超えている。
2022年6月期の売上高は20億7400万円、経常損益は広告宣伝費の拡大などコストがかさみ、7400万円の赤字だった。
(藤原秀行)