高速道路の大型トラック最高速度、「2024年問題」受け80kmから引き上げへ議論本格化

高速道路の大型トラック最高速度、「2024年問題」受け80kmから引き上げへ議論本格化

警察庁が今月中に有識者検討会立ち上げ、年内に提言策定目指す

政府はトラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」への対応の一環として、高速道路上で中・大型トラックの最高速度を引き上げるため、議論を本格化させる。

警察庁が7月26日に有識者の検討会を立ち上げ、安全確保の技術の現状などを検証した上で、2023年中をめどに提言をまとめる予定。検討会には国土交通省や全日本トラック協会も参加する見通し。

最高速度引き上げを検討するのは車両総重量が8t以上のトラック。8t未満のトラックは既に時速100kmまで引き上げられている。

現在の速度規制は道路交通法施行令で定めており、普通車など多くの自動車が時速100kmとなっている。都道府県の公安委員会がそれ以上の速度を指定している区間もある。その一方、8t以上のトラックなどは80kmと設定している。

物流業界からは2024年問題を踏まえ、輸送時間を短縮するため最高速度を引き上げるよう求める声が出ており、今年6月に政府が策定した2024年問題に対応する政策パッケージの中でも、安全を確保するための技術動向などを踏まえた上で、引き上げる方向で調整する方針を示していた。ただ、物流関係の労働組合などは安全性の観点から引き上げに慎重な見方もある。

(藤原秀行)

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