「2024年問題」対応へ中継輸送拠点の整備促進

「2024年問題」対応へ中継輸送拠点の整備促進

国交省が審議会で表明、道の駅や除雪ステーションなど既存設備活用も

国土交通省は7月20日、社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会の物流小委員会(委員長・根本敏則敬愛大学教授)を開き、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴い物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」への対応を説明した。

この中で、長距離トラック輸送の途中でドライバーが交替するなどして、法規制を順守する「中継輸送」の普及を後押しするため、中堅・中小の運送事業者も中継輸送ができるよう、高速道路などで中継拠点の整備を図る方針を表明した。

今後、長距離輸送の利用が多いルートを対象に、中継拠点を整備するエリアを検討。既存の施設を活用するか、新たな施設を建設するかなどについても、民間事業者らの意見を聞きながら議論していく考えを明らかにした。

国交省は、2024年4月に施行予定の新たな改善基準告示で、労働時間と休憩時間を合わせた拘束時間が1日当たり原則13時間以内となることを踏まえると、1日の走行可能距離は片道で約280km、往復で約560kmになると解説。

「片道約300kmを超えると日帰り運行不可となることから、片道300~600kmの範囲が中継輸送(2者間)に適していると考えられる。中継拠点は両発着地間のおおむね中間地点に位置することで、両地点からの日帰り運行が可能」との見解を示した。

広島や北海道で実施した中継輸送の実証実験の結果、参加したドライバーの拘束時間短縮などの効果を確認できたと指摘。今後は中継拠点の整備ニーズの高いエリアを抽出し、道の駅や除雪ステーション、駐車帯、チェーン脱着場などの既存設備を活用することも念頭に、検討を進めていく方向性を打ち出した。

(藤原秀行

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