F-LINE、2024年問題対応へカゴメと日清製粉ウェルナが「中継リレー輸送」開始

F-LINE、2024年問題対応へカゴメと日清製粉ウェルナが「中継リレー輸送」開始

関東~中部間で実施、ハウス食品とミツカンもテスト運用

F-LINEは8月16日、中長距離輸送対応チームの取り組みとして、カゴメと日清製粉ウェルナによる中継リレー輸送を開始したと発表した。併せて、ハウス食品とMizkan(ミツカン)も中継リレー輸送のテスト運用を始めた。

トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」への対応が狙い。

カゴメと日清製粉ウェルナのケースでは、これまではカゴメが関東エリアの工場から中部エリアの倉庫へ、日清製粉ウェルナが中部エリアの倉庫から関東エリアの倉庫へそれぞれ製品を輸送していた。

今回の取り組みでは中部エリアからのトラックと関東エリアからのトラックが、中間地点の静岡県にある新東名高速道路の清水PAで落ち合い、ドライバーはトラックを交換して元のエリアへ戻り、製品を納品する。

また、ハウス食品とミツカンのケースは従来、ハウス食品が製品を関東エリアの工場から中部エリアの物流センターへ輸送し、中部エリアの物流センターからは関東エリアの物流センターへ別の製品を運んでいた。ミツカンもハウス食品と同じく、関東エリアの物流センターから中部エリアの物流センターへ製品を輸送し、中部エリアの物流センターからは関東エリアの物流センターへ別の製品を届けていた。

関東と中部それぞれのエリアで2社の製品を混載したトラックが、中間地点の山梨県に位置している中央自動車道の双葉SAで合流。ドライバーがトラックを交換して元のエリアを再び逆行する形で走行し、製品を納める。

いずれのケースも中間地点でトラックを交換する中継リレー輸送に移行することにより、従来は1泊2日の運行を行っていたドライバーは宿泊せず自宅に日帰りできるようになる。積載率の高い状態での輸送が可能になるため、帰り荷の確保が難しい問題の解決にもつながるとみている。

F-LINEの中長距離輸送対応チームは他のルート、荷主による中継リレー輸送を展開していくことを検討。中継リレー輸送以外でも幹線輸送の課題について、鉄道や船舶を活用した取り組みに着手している。


カゴメと日清製粉ウェルナのケース


ハウス食品とミツカンのケース


中継地でのドライバーによるそれぞれのトラックの鍵の受け渡し(いずれもプレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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