軽仮設機材レンタル業のアクトワンヤマイチ現場で効率化実現
大日本印刷(DNP)は9月11日、金属製品に取り付けても高い読み取り精度を実現する「金属対応RFID」を利用した機材管理システムを、建設用軽仮設機材のレンタルを専門に行うアクトワンヤマイチに納入したと発表した。
5カ月の試用期間では入出庫・検収作業時間が従来比で約20%短縮したという。
アクトワンヤマイチはこれまで、軽仮設機材のレンタル業務に関わる入出庫・検収・棚卸しなどの作業を主に紙帳票で管理してきた。2025年の大阪・関西万博などで国内の建設需要の増加が見込まれる中、同社はDXによる業務効率化などに取り組み、「業務の標準化」→「ペーパーレス化」→「RFIDを使った効率化」とステップを踏んだ計画の立案と実施に注力している。
19年にはDNPがタブレット端末用アプリを提供し、「業務の標準化」と「ペーパーレス化」をスタート。21年には「DNP RFID導入検証支援サービス」を活用し、数m離れても複数のIDを読み取ることができる「RFIDを使った効率化」の検討を進めてきた。それぞれのた取り組みの検証結果を踏まえ、「金属対応RFIDを利用した機材管理システム」が同社の業務効率化に有効と判断、導入に踏み切った。
本システムはUHF帯の金属対応RFIDと通信機器、管理システムで構成。RFIDは一般的に、金属に取り付けると通信距離が短くなるが、足場やはしごなどの軽仮設機材に適用できる金属対応RFIDを選定することで、複数のRFIDの一括読み取りを可能にした。建築現場や高圧洗浄工程などの過酷な環境における高い耐久性も備えている。
RFIDに製品コードなどをレーザーで印字し、スマートフォンのアプリで撮影することで、機材管理システムと連携することも可能という。
DNPはこれまで紙帳票で行っていた目視確認や手書き入力などのアナログ業務をペーパーレス化することで、作業時間の短縮やミスの低減、作業手順のばらつきの解消などにつながると見込む。
システムの管理画面(左)とタブレット端末画面(右)のイメージ
DNPは引き続き、「金属対応RFIDを利用した機材管理システム」や「DNP RFID導入検証支援サービス」などを通じて、多様な業種・業態のDX化・業務効率化を支援。機材レンタルや建設業界を中心に販売を強化し、2025年度までに累計5億円の売り上げを目指す。
DNPは9月13~15日に東京・有明の東京ビッグサイトで開かれる「国際物流総合展2023」のBIPROGYブースで「金属対応RFIDを利用した機材管理システム」の実物と導入事例を紹介する予定。
(藤原秀行)※いずれもDNP提供