食料不測予想時、事業者に生産・出荷・輸入計画の作成要請・指示可能に

食料不測予想時、事業者に生産・出荷・輸入計画の作成要請・指示可能に

農水省が法整備案を提示、来年の通常国会への提出目指す

農林水産省は10月2日に開催した「不測時における食料安全保障に関する検討会」で、政府が商社などの輸入事業者や生産者らに対し、食料不足が見込まれる際、農畜産物の生産や輸入、出荷の計画を作成、提出するよう求めることができる法律を整備する案を提示した。

天候不順や感染症の流行で生産が減少するなど、国民の食生活や企業の事業活動に大きな影響を及ぼす供給不足が発生することが予想される段階で、政府が生産や輸入、出荷の計画を策定するよう企業に要請。事態が深刻な場合はより強制力のある「指示」に切り替えられるようにすることを想定している。

企業側の計画では不十分と判断した場合は、計画の修正を求められるようにすることを念頭に置いている。

農水省はスイスやドイツで、食料不足に陥ることが予想される場合に販売制限などの措置を政府が講じられるようにする法律が整備されていることに言及。平時から政府が供給減少の兆候をすぐに察知するため、国内の民間企業の在庫や輸入・生産能力などを調査、情報収集できるようにすることを提案した。

また、農畜産物の備蓄についても、政府と民間企業が連携して適正量を備蓄しておけるようにする仕組みの構築を提唱した。

農水省は年内にも同検討会で方針を取りまとめた上で、2024年の通常国会に新たな法案を提出したい考え。

(藤原秀行)

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