日野自動車とヤマトホールディングス(HD)は4月15日、マレーシアでトラック・バスドライバー向けに新たな安全運転研修プログラムの提供を開始すると発表した。両社の現地法人が連携してお互いが保有する安全に関する経験や機能を活用。マレーシアで安心・安全な車社会の実現に取り組んでいく。
日野モータース セールス マレーシア(日野マレーシア販売)は現地ユーザーへのアフターサービスの一環として、2015年に「日野トータルサポート カスタマーセンター」を新設。これまで年間約3000人(通算1万人超)の商用車ドライバーに安全運転や省燃費運転の講習を行ってきた。
一方、マレーシアヤマト運輸(YTM)は1988年にフォワーディングと海外引っ越しを中心に事業を開始し、11年より小口配送サービス「TA-Q-BIN」を展開。日本で長年培ってきた経験を生かしてドライバー教育、現地人材の安全指導者育成も進めている。
今回新たに日野マレーシア販売のカスタマーセンターが提供するトレーニングプログラムに、安全運転の適性診断・座学・実車訓練を組み合わせた研修コンテンツを追加。ドライバー自身の運転特性を踏まえたトレーニングによって、安全運転に対する知識・意識とドライビングスキルをより一層向上させる。また受講者のマネジメントスタッフと研修結果を共有して日々の安全運転指導にも役立ててもらう。YTMは「運転適性診断」と「運転適性診断結果フィードバック・安全目標作成」のコンテンツを提供する。
3000万超の人口を抱え年率5%前後の堅調な経済成長を続けるマレーシアだが、17年には約53万件の交通事故が発生。官民連携による早急な対応が必要な社会的課題として認識されている。
今後も日野とヤマトは連携してプログラム、コンテンツなどのさらなる充実に取り組んでいく考え。
(鳥羽俊一)