14~18年、外郭団体経由で
国土交通省海事局が、官民人事交流法で人事交流を禁じている公益財団法人の日本財団に、同省の外郭団体を経由させて職員2人を出向させていたことが分かった。
斉藤鉄夫国交相が10月24日の閣議後記者会見で明らかにした。
同法は国や自治体の事業から主な収益を得ている企業に職員を直接出向させることを認めていない。日本財団は競艇事業を開催している自治体からの交付金が収入の大きな部分を占めており、同事業は海事局が管轄している。
斉藤国交相は「日本財団との関係に国民の疑念を招く恐れがあったことは誠に遺憾だ」と語り、適切な人事運用を徹底していく姿勢を強調した。
斉藤国交相などによると、当該の海事局職員は2014~18年にかけ、いったん国交省から外郭団体へ出向させる形を取った上で、すぐに日本財団へ再出向させた。2人は日本財団で海洋開発の人材育成に関する業務に当たっていた。
国交省の人事課から、外郭団体を経由させた再出向が不適切との指摘を受け、海事局は18年に当該の再出向を取りやめた。
(藤原秀行)