空間効率最大化、500台まで一元管理
「ロボットストレージシステム」のイメージ(シャープ提供)
シャープは10月25日、倉庫の収納力拡大とピッキング作業の効率化を実現し、倉庫運営時の生産性向上に大きく貢献すると見込む「ロボットストレージシステム」を開発したと発表した。
11月10~12日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催する自社の技術展示イベント「SHARP Tech-Day」で初めてお披露目する。
本システムは品物を格納する専用棚を建物の天井高に合わせて設計。デッドスペースになりがちな倉庫上部の空間を有効活用して収納力を拡大し、季節や需給状況によって変化する在庫量に合わせた柔軟な対応を実現できるとみている。
自動搬送ロボットは、バランス設計で高所のコンテナ移載にも対応。最大5.3mの高さに収納されたコンテナも、ぐらつきを抑えて取り出し、ピッキング作業者の場所まで運搬できる。
上下に伸びたフレームは長さを5.3mから3.6mの間で伸縮可能。防火シャッターや梁などで高さが限られる場所もくぐり抜けて走行できるのがメリット。
独自の集中制御システム「AOS(AGV Operating System)」を駆使し、最大500台までの自動搬送ロボットを一元管理できる設計。最短経路などを算出し、最適な配車を実現する。ピッキング作業者は、目の前に運ばれてきたコンテナからピッキングすれば作業が済むため、作業を大幅に効率化するとともに、人為的ミスの抑制にもつながると想定している。
「SHARP Tech-Day」は本システムのほか、量子コンピューティング技術を活用した組み合わせ最適化処理(量子アニーリング)による、自動搬送ロボットの多台数同時制御や倉庫運用の革新的な効率化を実現する技術開発への取り組みなど、物流業界の課題解決に資する新たな提案を発表する予定。
(藤原秀行)