フランクフルト空港に近接、貨物取扱量伸長など対応
無線通信機器のアイコムは11月27日、フランクフルト空港が位置しているドイツ西部のヘッセン州で自社ビルを取得したと発表した。土地と建物の取得金額は計324万ユーロ(約5.2億円)。
アイコムは欧州で自社ビルを取得するのは初めて。海外拠点は他にアイコムアメリカ(カークランド)、オーストラリア(メルボルン)でそれぞれ自社ビルを保有している。
(アイコム提供)
フランクフルトに隣接するホイゼンシュタム市で、子会社の現地法人「アイコムヨーロッパ(Icom (Europe)GmbH)」の本社機能を、現在のバート・ゾーデン・アム・タウヌス市(ドイツ)から移す。稼働開始は12月6日の予定。
ビルは地上2階建ての鉄骨造で、敷地面積は3832㎡、延床面積は2426㎡。床面積は従来オフィスの2.5倍に達し、1階(1552㎡)は倉庫、2階(874㎡)は事務スペースとしてそれぞれ活用する。
販売拠点としての活用に加え、欧州のハブのフランクフルト空港からも近く、欧州各国への物流拠点としての機能も格段に向上すると見込む。
アイコムヨーロッパは1976年に発足。欧州・東欧などの販売店の販売・営業・技術サポートを担っている。欧州地域(EMEA)のアイコム売上高は55億8000万円(2023年3月期)で、前年度(22年3月期)比25%増、3年前(20年3月期)の39%増と、新型コロナウイルス禍など逆境の中でも健闘が目立つ。
貨物の取扱量が伸び、既存オフィスが手狭になっていることなどを踏まえ、オフィス移転に踏み切った。
(藤原秀行)