非常食の空輸に成功
エアロネクスト子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERYは12月7日、静岡県川根本町で12月3、4の両日、災害時の孤立集落へドローンで物資を配送することを想定した実証実験を行ったと発表した。
肉まんとあんまんを搭載した物流専用ドローン ”AirTruck”の離陸を見守る本川根小学校の生徒たち (本川根小学校グラウンド)
ドローン配送されたお菓子を受け取る川根小学校の生徒たち (本川根小学校グラウンド)
ドローン配送された肉まんとあんまんを受け取る川根中学校の生徒たち (本川根中学校グラウンド)
川根本町は静岡県の中央部に位置し、町域は大井川に沿った東西約23km、南北約40kmの南北に細長い形で、面積は496.72km²(県全体の6.4%)、このうちの約90%を森林が占めている。自然が占める割合が多く、町の中心地から離れた集落が散見され、高齢化に伴う買い物難民の課題を抱えている上、有事の際に孤立してしまう可能性のある集落も多く、災害などで道路が遮断され交通手段がない場合の物資輸送の問題もある。
そこでラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する「新スマート物流システム」の導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送などを行える仕組み作りを目指し、住民の理解度向上、定期飛行に向けた課題の洗い出しを目的として実証実験を実施した。
エアロネクストが物流用途に特化して、ACSLと組んでゼロから開発した可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmの物流専用ドローンAirTruck(エアトラック)を使用し、ドローン配送の実証実験に踏み切った。
12月3日は有事を想定したドローン配送の実証実験を実施。有事の際に孤立被害が想定される坂京地区への物資輸送を想定し、役場総合支所から坂京地区(距離3.5km、約7.5分)へ非常食を空輸した。
12月4日は子供たちにドローン配送を体感、将来への期待などを感じてもらうため、本川根小学校と本川根中学校間のドローン配送の実証実験を開催。小学校と中学校間をドローンが一往復し、それぞれ物を届けた。本川根小学校から本川根中学校(距離約1km、約3分)へ肉まんとあんまんを、本川根中学校から本川根小学校(距離約1km、約3分)へお菓子をそれぞれ配達した。
今回役場総合支所から坂京地区へドローンで配送された非常食のカレー
(藤原秀行)※いずれもNEXT DELIVERY提供