物流の実用化・普及、プラント点検なども展開
ドローン関連事業などを手掛けるブルーイノベーションが12月12日、東京証券取引所グロース市場に上場した。調達した資金は技術開発などに充てる。
同社は1999年6月、熊田貴之社長の父、知之氏が日本企業の工場の中国進出支援を手掛けるアイコムネットを立ち上げたのが前身。
その後、海岸の防災に関するコンサルティングサービスを手掛ける中で、ドローンによる空中写真撮影を防災に生かすシステムを東京大学と共同開発したのを契機に、ドローンを軸としたソリューションビジネスに進出した。
2013年に株式会社へ改組して現社名に変更した。ドローンやAGV(無人搬送ロボット)を使ったプラントや送電線、工場内の点検などのソリューション展開のほか、ドローンの産業活用に向けたパイロット育成などを実施。ドローン物流の実用化・普及にも積極的に取り組んでいる。
複数のドローンやAGVを遠隔で統合管理するソフトウェア「Blue Earth Platform(BEP)」の展開にも注力している。
政府が昨年12月、ドローンが有人地帯上空を補助者なしで目視外飛行する「レベル4」を解禁したことなどから、今後もドローンの産業活用はさらに拡大すると予想。人手不足が深刻な配送現場などでのAGV活動も進むと想定、事業拡大を図る。
23年12月期の単独売上高は前期比38.2%増の12億5500万円、営業損益は2億9800万円の赤字(前期は3億4900万円の赤字)、当期純損益は2億9900万円の赤字(同3億4500万円の赤字)を見込む。投資が先行するため、赤字が継続するが、赤字幅は縮小するとみている。
現在は熊田社長が発行済み株式の38.99%(議決権ベース)を保有する筆頭株主。
ブルーイノベーションの上場初日の終値は1899円で、公開価格の1584円を約2割上回った。
(藤原秀行)