斉藤国交相ら「協働が一層拡大するよう強く期待」とエール
国土交通、経済産業の両省と日本物流団体連合会(物流連)、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は12月18日、東京都内で2023年度の「グリーン物流パートナーシップ会議 物流パートナーシップ優良事業者表彰」を開催した。
環境負荷低減や業務の生産性向上を成し遂げた事業者らを対象とする国土交通大臣表彰は、
「DFL(デザイン・フォー・ロジスティクス)、DXを活用した2024年問題解決への取り組み」で成果を挙げた鈴与、アサヒロジ、住友精化、ダイオーロジスティクス、日本ノボパン工業、PALTAC、ユニリーバ・ジャパン、ライオン、流通経済研究所の8者が獲得した。鈴与は2年連続の受賞となった。
斉藤国交相(中央)と8者の代表ら
経済産業大臣表彰は「小売業の発注スキームの転換から車両削減・物量平準化の実現」を果たしたアスクル、花王グループカスタマーマーケティング、コクヨの3社が獲得した。
岩田経産副大臣(左から2人目)と3社の代表
冒頭、同会議の世話人を長年務め、今年限りの退任を決めた杉山武彦一橋大学名誉教授がビデオメッセージを寄せ、「これからも日本の物流を大きく改善し、革新を進めていただくことを強く願っている」と物流パートナーシップ会議の活動継続にエールを送った。
続いてあいさつに立った国交省の斉藤鉄也国交相は、大臣表彰などを獲得した各事業者らの取り組みについて「業界の垣根を超えたさまざまな関係者の皆様が連携する革新的かつ模範的なものだ。表彰を通じて先進的な取り組みが全国に広がり、持続可能な物流の発展に向けた連携、協働がより一層拡大するよう強く期待している」と語った。
あいさつする斉藤国交相
経産省の岩田和親副大臣は「物流に関わる荷主や物流事業者の皆様には引き続き物流のパートナーシップを力強く推進していただき先進的な取り組みの普及に向けて積極的に取り組んでいただくことを心より期待している」と語り掛けた。
岩田副大臣
鈴与などはトラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」を考慮しながら運行効率を低下させない輸送手法を確立、DFL観点からの包装設計見直しと荷役作業を改善するとともに、トレーラー中継輸送なども展開し、実車率向上と車両使用台数削減を達成した。
アスクルなどは同じく2024年問題対応として、輸送、物流業務両面の効率化を加味した商品発注方法に転換。小売業起点でAIを使用し、車格単位での発注量の平準化を果たすとともに、車両削減と物量平準化でサステナブルな物流、CO2排出量削減の実現を推進している。
(藤原秀行)