高速道路の有料期間を2115年まで50年間先送りする改正法が成立

高速道路の有料期間を2115年まで50年間先送りする改正法が成立

無料化は事実上の棚上げに

高速道路の料金を徴収し続ける期限を、現在設定している最長2065年からさらに50年間延長し、2115年9月末まで先送りすることなどを定めた改正道路整備特別措置法と改正日本高速道路保有・債務返済機構法が、5月31日の参議院本会議で可決、成立した。

政府が設定している「将来の高速道路無料化」は事実上、棚上げされることになる。日本は今後、少子高齢化で料金収入が大きく伸びることは考えにくく、維持・更新のための資金を賄い続けられるのかは不透明。政府には人口減少を前提とした道路整備方針への切り替えが強く求められる。

高速道路は現在、建設費などの借金約40兆円を料金収入で返済し、完済した後は無料化することを定めている。政府は2005年、旧日本道路公団の民営化に伴い、2050年までに借金を返済する方針を決めた。

しかし、12年に中央自動車道の笹子トンネルで天井板崩落事故が起き、多数の死者を出したのを契機に、全国の高速道路で設備の老朽化が進んでいる実態が浮き彫りとなり、政府は対策強化に必要な巨額の費用を捻出するため14年に法改正し、有料期間の期限を2065年まで15年延長していた。

その後、国土交通省の審議会は21年、補修費用の増大などを踏まえて有料期間の延長をさらに検討するよう求める中間答申をまとめていた。

橋梁やトンネルなどの設備で深刻な老朽化が進み、対策に要する費用が膨れ上がることが避けられないのに加え、地方エリアで4車線化を進めていることなどもあり、所管する国交省は整備や点検、補修、設備更新のための財源を確保する必要があると判断。無料化時期の事実上の棚上げに踏み切った。

法改正に伴い、国土交通省は一定期間ごとに設備補強などの計画を策定、債務を返済する方法を検討する方式を採用する方向。

改正法は併せて、高速道路料金を確実に徴収できるようにするため、車を実際に運転しているドライバーだけでなく、車検証で使用者に設定されている人に対しても請求可能とする。

高速道路運営会社がSA・PAで自動車駐車場を整備する際、高速道路機構が無利子で費用を貸し付けられる制度を新設し、SA・PAの混雑解消やトラックドライバーが確実に休憩できる環境の整備を後押しする。

(藤原秀行)

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