セイノーロジックスがパナマ・スエズ運河の運航不能リスク対応、米東海岸向け海陸複合混載サービス拡充へ

セイノーロジックスがパナマ・スエズ運河の運航不能リスク対応、米東海岸向け海陸複合混載サービス拡充へ

ロサンゼルスから鉄道など活用、24年1月開始

セイノーロジックスは12月25日、米東岸向け輸送に関し、パナマ運河とスエズ運河の運航不能リスク分散のため、代替ルートとして米ロサンゼルス経由のIPI(海陸複合輸送)サービスを拡大すると発表した。

パナマ運河の通航制限に加え、紅海周辺の商船攻撃リスクの増大でスエズ運河の安全な航行が脅かされているため、米東岸向け輸送に関しても運賃の高騰や輸送日数が長くなるなどの動きがあり、安定的な輸送が難しくなることが懸念されている。IPIサービスの拡大でそうした事態に対応する。

2024年1月にニューヨーク向け引っ越し混載貨物をロサンゼルスでリコンソリ(再度混載)し、鉄道などに接続するIPIサービスを開始。東岸向けサービスを拡充する。

普通品に加え、危険品貨物も引き続き荷受け可能なため、米東岸向けオールウォーター(全て海上輸送)サービスのリスク分散として利用できると想定している。

サービス開始の初船は1月1日に東京港を出港。東京、横浜、清水、名古屋、大阪、神戸、京都で荷受けした貨物をロサンゼルスまで混載輸送し、ロサンゼルスでリコンソリした後、内陸輸送へ迅速に接続、ニューヨークまで届ける。

東京港出港からニューヨーク到着までのリードタイムは35日前後で、従来のパナマ運河経由のサービスと遜色なく、スエズ運河経由の代替ルートとして各船社が提供し始めている喜望峰経由のルートよりも短縮できると見込む。

併せて、ロサンゼルスに常駐する同社日本人駐在員が現地側の荷動きをフォローし、米東岸到着までの貨物追跡情報もホームページで提供する。

(藤原秀行)

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