確認間違いや誤入力回避、中期的には業界全体で一貫した情報授受・処理達成目指す
全日本空輸(ANA)は1月12日、アジアの航空会社として初めて、国際航空運送協会(IATA)が提供する危険物規則書に基づく危険物申告書の電子的なチェック機能「DG AutoCheck(オートチェック)」を自社国際貨物基幹システムに統合、日本発の貨物輸送から運用を開始したと発表した。
従来は貨物に添付される危険物申告書を目視で危険物規則書と照査し、紙のチェックリストに基づきマニュアル作業で内容をチェック、全ての関連規則や規制に適合しているか確認してきた。危険物の受託業務と情報登録に至るまでの一連工程を電子化することが可能と想定している。
ANAは空港業務の効率向上とともに、電子化データと規則書に基づくチェックの仕組みを採用して確認間違いや誤入力防止を図り、航空安全の向上につなげる狙いがある。まず成田、羽田、関西の各空港で「DG AutoCheck」の運用をスタートし、今後は対象空港の拡大を目指す。
(プレスリリースより引用)
「DG AutoCheck」はこれまで荷主または航空貨物代理店から紙で受領していた危険物申告書をデータ化することで運用が可能になる。まずは紙の危険物申告書をOCR(光学式文字読み取り)技術を活用して電子化することから着手した。
中期的にはIATAが目指している、航空貨物輸送に関わる全ての紙情報の電子化(e-Freight、eフレート)により、業界全体の一貫したデータによる情報の授受・処理を達成したい考え。電子化を加速させ、効率化や安全・品質向上を図り、一層の顧客利便性を果たすことを視野に入れている。
(藤原秀行)