国交省方針に意見なしと回答
ダイハツ工業は1月23日、新車の安全性に関する国の認証試験で長年不正を働いていた問題を受け、国土交通省が道路運送車両法に基づいて3車種で量産に不可欠な認証「型式指定」を取り消す意向を示しているのに対し、同社としての意見はなく受け入れる方針を回答したと発表した。
国交省は同日、取り消しに向け、ダイハツの意見を聞く手続き「聴聞」を実施。しかし、ダイハツは出席せず、代わりに取り消しについて意見がない旨を国交省へ事前に伝えた。
3車種はダイハツの「グランマックス」、トヨタ自動車にOEM(相手先ブランドによる製造)供給している「タウンエース」、同じくマツダにOEM供給している「ボンゴ」の3車種(いずれもトラックタイプのみ)。
国交省は1月中にも正式に3車種の型式指定を取り消す方針。ダイハツが型式認定を再び取得するのには数カ月要するとみられ、経営への打撃は避けられない。軽貨物配送の領域でも事業者の車両調達の面で影響が出そうだ。
型式指定の取り消しは日野自動車、豊田自動織機に次いで3社目で、乗用車では初めてとなる。
ダイハツは1月23日、「お客様をはじめとするすべてのステークホルダーの信頼を裏切り、多大なご迷惑をおかけしておりますことを改めて深くお詫びいたします。今後も引き続き国土交通省のご指導に従ってまいります」とのコメントを発表した。
(藤原秀行)