アルペングループがEC物流網強化とDX加速へ愛知に今春旗艦倉庫開設、ギークプラスのAGV採用

アルペングループがEC物流網強化とDX加速へ愛知に今春旗艦倉庫開設、ギークプラスのAGV採用

市場成長へ柔軟に対応、配送リードタイム短縮など図る

スポーツ用品販売大手のアルペンは2月14日、ECのサービスレベル向上へ愛知県稲沢市に延床面積1万坪の新たなEC旗艦倉庫「中京フルフィルメントセンター(FC)」を今春開設すると発表した。丸徳産業の「堀之内物流センター」で運営する。

アルペングループはアパレル、シューズ、小物(フィットネス用品など)、大物(キャンプ用品など)といった非常に幅広いカテゴリーの商品展開。消費者へ迅速・効率的に供給するため、アイテムや大きさなどの種類別に物流網を整流化し、物流システムの再構築を図る新物流戦略を立案、実行している。

店舗までの供給リードタイム短縮化、梱包方法改善による店舗品出しまでの作業簡素化、出荷物量コントロールによる庫内作業人数・配送の最適化、成長を続けるECのサービスレベル向上を目指している。

ECサービスレベルの向上はビジネスの成長に応じた段階的な自動化と省人化へ投資が必要と判断。2018年にEC物流拠点「東日本フルフィルメントセンター」(千葉県印西市)を立ち上げている。今回の中京FCは中京エリア初の自社EC専用倉庫になる。

アルペンは愛知県にEC倉庫を構え、西日本エリアへの配送リードタイム短縮を図る。併せて、愛知県にはメーン拠点のディストリビューションセンター(在庫型物流センター)が存在するため、千葉県にある東日本FCよりも迅速に商品の供給や店舗向け在庫との共有が可能と想定。取り扱いアイテムの拡大と在庫高のコントロールを実現し、顧客のニーズの変化へ柔軟に対応することを狙う。

さらに、旗艦倉庫として延べ床面積1万坪の広さを確保することで、撮影や採寸、商品紹介原稿作成の「ささげ機能」の一部を占めるEC商品の撮影スペース拡張を実現。多様なカテゴリーの商品販売サイト登録を迅速に行い、従来以上に強固で効率的な物流体制を構築したい考え。

また、アルペンは18年から東日本FCにギークプラス製のAGV(自動搬送ロボット)「EVEシリーズ/P800R」を導入しており、現在は216台のロボットが稼働している。ロボットの導入により、23年時点(18年対比)で生産性を4倍向上させ、出荷リードタイムを半分に短縮することに成功しているという。

こうした実績を考慮し、中京FCでも継続導入を決定。立ち上げ段階では29台のロボットで運営を始め、ECビジネスの成長に応じて順次拡張する予定。導入するロボ棚の高さを1.2倍へ変更し、保管スペースを増加したことで、保管効率も向上させることを目指す。


導入するロボット


新規導入するロボ棚

■拠点の概要
名称:アルペン中京フルフィルメントセンター(丸徳産業 堀之内物流センター内)
所在地:愛知県稲沢市堀之内町流1番1
延床面積:33604.90㎡(約10,165.48坪)
建物階数:地上3階建

(藤原秀行)※いずれもアルペン提供

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