国内初のカラーテレビ専門工場、物流施設や工場の開発視野
東芝が今年9月末に閉鎖した深谷事業所(埼玉県深谷市)の跡地を、大和ハウス工業が取得する方向で検討していることが分かった。
約29万平方メートルの敷地の半分程度を購入することを念頭に置き、物流施設や工場の開発を視野に入れているもようだ。購入が決まった場合、実際に跡地を引き渡すのは2022年になるとみられる。
同事業所は1965年、国内初のカラーテレビ専門工場として発足し、69年にはブラウン管工場が操業を始めた。最盛期には約7000人が勤務し、日本でも随一の規模を持つテレビ生産拠点だったが、液晶テレビへの需要移行などに伴い生産量は減少。12年にテレビの生産から撤退し、近年は航空機用のブラウン管製造を続けていた。
東芝は23年度にグループ全体を3社に分割する方針を示しており、遊休資産の有効活用を急いでいる。同事業所の跡地売却もその一環で、残る半分についても引き続き売却先を探す。
(藤原秀行)