LNGで得た知見活用、脱炭素への貢献目指す
商船三井は2月14日、オーストラリアのエネルギー大手WOODSIDE ENERGY(ウッドサイドエナジー)、韓国の造船・エンジニアリング大手HD KOREA SHIPBUILDING AND OFFSHORE ENGINEERING(HD KSOE)、韓国の船会社大手HYUNDAI GLOVISの3社が2022年から進めている液化水素輸送の共同検討プロジェクトに参画したと発表した。覚書を締結した。
(商船三井提供)
脱炭素の潮流の高まりで水素はクリーンなエネルギーとして注目されており、輸送手段として液化した水素の輸送は将来需要が高まると見込まれている。
本プロジェクトはアジアとその他地域で液化水素を安定的に供給するサプライチェーンの構築を目指し、タンク容量が8万㎥型の輸送船を前提に技術、安全、施工、運用面および経済性について検討。2030年までの建造・運航開始を目標に掲げている。液化水素運搬船は水素を主な推進燃料とする予定で、運航時に出るCO2を大幅に削減できると見込む。
液化水素の体積は水素ガスの約800分の1で、毒性が無く安全かつ効率的に水素を運搬できる。その一方、マイナス253℃まで冷却する必要があり、輸送には高い技術力が求められる。商船三井が長年のLNG(液化天然ガス)輸送を通じて得た知見や脱炭素問題への各種取り組みなどを3社が評価、検討への協力の打診があり覚書締結に至った。
今後、WOODSIDEが水素の製造や積揚地での貯蔵、HD KSOEが船の設計と建造、Hyundai Glovisと商船三井が船の運航面や荷役の検討を担う。
(藤原秀行)