具体的なルート設定の方向性など議論へ
国土交通省は2月19日、先進技術を集めて自動化・省人化を図る「自動物流道路(オートフロー・ロード)」の実現に向け、 などを議論する検討会の初会合を2月21日に開催すると発表した。
「2024年問題」や脱炭素など、物流業界が直面している課題の解決につなげるのが狙い。
検討会は羽藤英二東京大学大学院工学系研究科教授が座長を務め、日本経済団体連合会(経団連)や全日本トラック協会、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)など、有識者や業界団体、高速道路運営会社の関係者が参加。実現のためのスケジュールや具体的なルート設定の方向性などを取り上げる予定。
自動物流道路は昨年10月、国交省の社会資本整備審議会 道路分科会 国土幹線道路部会が策定した「高規格道路ネットワークのあり方」の中間取りまとめの中で、今後10年で実現できるよう国交省に検討の開始を促していた。
中間取りまとめでは、自動物流道路は道路空間を最大限活用し、自動車に頼らず徹底した省人化を図る低炭素な物流システムを導入することを想定。
主要都市間を結ぶ地下トンネルに自動運転カートを走らせる物流システムを計画しているスイスや、低コストのリニアモーターを使って完全自動運転の物流システムを検討している英国の事例を引用している。
日本は既に人口減少局面へ入り、将来にわたって税収や高速道路の料金収入が大きく伸びていくことは考えにくい。それだけに、自動物流道路の構想が先走りしないよう、巨額に達することが確実な整備費用の調達方法や、自動物流道路の展開で得られる利益と費用の見通しなどを踏まえ、慎重に議論する必要がある。
(藤原秀行)