専用離着陸設備使い安全な授受実現目指す
KDDIとKDDIスマートドローン、日本航空（JAL）、JR東日本、ウェザーニューズ、メディセオの6社は2月27日、東京都江東区豊洲で2月13～22日の間、ドローンの専用離着陸設備「ドローンポート」を活用した医薬品授受管理の実証を行ったと発表した。ドローンを使い医薬品を空輸した。
東京都の「ドローン物流サービスの社会実装促進に係る実証プロジェクト」に基づき、都内でドローン物流サービスの早期実現を目指した取り組みの一環。昨年12月に東京都檜原村で実施した日本初の「レベル4」飛行での医薬品配送に続き、6社が参加した。
本実証では、荷物の格納が可能なドローンポートを用いた離着陸場所を医療機関に隣接した場所に構築。ドローンを生かした医薬品輸送サービスに求められる離着陸時の安全確保や、配送物の授受管理の利便性について検証した。ドローンはACSL製、ドローンポートはIHI運搬機製のものをそれぞれ採用した。
実証の様子
実証の概要
ドローンポートの運用フロー
実証にはIHI運搬機、聖路加国際病院、昭和大学江東豊洲病院、がん研有明病院、東京臨海病院が協力。実証期間中、各病院などの関係者約40人が実際に見学し、ドローンポートを用いた医薬品輸送を体験した。
6社は社会実装に向け、設置場所に適したサイズのドローンポートが求められていること、ドローンポートとドローン間のシステム連携が必要であること、高精度な着陸やより多くのペイロードを運搬できるドローンが求められていることなどの課題・期待を把握。本実証で把握した課題・ニーズを汲み取り、将来の都内における医薬品輸送サービスの実現を目指す。
病院関係者の視察の様子（いずれも6社提供）
今回の実証やこれまでに実施した医薬品輸送検証を通じてつかんだ技術面や運用面、ビジネス面の課題への対応策を引き続き検討し、ドローンによる医療物資輸送サービスに必要な安全運航体制やビジネスモデルの確立を図る。
24年度には都心部でのレベル4飛行を見据えた長期的なドローンのサービス実証に踏み切る予定。将来はドローンを活用したまちづくりの実現に向け、物流をはじめとする多様なサービスの展開を目指し、実証を継続する。
（藤原秀行）
